安田純平さん、よくもまあ無事で、、

 きょうの夕方、安田純平さんがついに帰国した。
 よかった、よかった。


 痩せてはいたが、目に力があり、記者の質問にもしっかりした口調で答えている。想像していたよりはるかに「元気」なのでちょっと驚いた。安田さんと同じ組織に拘束されたジャーナリストが、苛酷な拘禁状態で精神的にまいって自殺を何度も考えたと告白していたからだ。安田さんと同時期に同じ「ヌスラ戦線」に拘束されていたスペイン人ジャーナリスト(3人)である。 
https://www.asahi.com/articles/ASLBS2238LBSUHBI008.html
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160508
 スペイン人ジャーナリストたちの拘束期間は10か月。安田さんは3年4カ月と4倍の長さだ。心身ともに正常を保ったまま帰国するのは難しいのではないかと心配していた。杞憂に終わってほっとしている。それにしても、すごい。これはどういう能力なのか。
 安田さんがトルコから日本への機内で朝日新聞に語ったところによると;
《3年4カ月間の拘束生活のうち、約8カ月間は高さ1・5メートル、幅1メートルの独房に監禁されたという。「虐待状態がずっと続いていた。精神的な負担もかなりあった」と説明した。
 2016年からは「解放する」と連日言われたが、独房の両側に見張り役がいて、1日24時間身動きができなかったという。「何一つ音を立ててはいけない。指を動かして関節がなったらダメ。寝ている間に体が動いてもダメ」。過酷な環境をそう振り返った。
 「食事が来ないとか、缶詰が来ても缶切りを持ってこないとか、そういう嫌がらせがあった」とも。目の前で別の監禁被害者とみられる人が暴行される現場も目撃したという。》
 こんな「地獄」を生き抜いたことに驚嘆する。


 私は安田さんのテレビ関係のプロデュースをしており、3年前の6月に彼がシリアに入る前まで、メールと電話で動画取材の相談をしていた。だから、安田さんが拘束されたことについては、友人としての心配と同時に責任も感じていた。それで、救出のお手伝いをしたいと思って、「ヌスラ戦線」から解放された2人のジャーナリストに会いにポーランドまで行ったりもした。無事に帰ってきてくれて、肩の荷が下りた思いだ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160408

 ニュースでは、成田空港でご両親と奥さんに会って、お母さんのつくったおにぎりを食べ、くつろいだ表情になっていた。
 まずはゆっくり休んでください。ごくろうさまでした。