幸福度ランキングでブータンは?

takase222018-04-04

 線路ぎわが真っ白になっている。ユキヤナギ。これも季節の花である。
 きょう、東京は真夏日になった。一年で初めて真夏日になる日が年々早まっているという。暖かいのは助かるが、ちょっと気持ちが悪い。
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 きのうまで銀座ニコンで、写真家、関健作さんの”OF HOPE AND FEAR”が開かれていた。ブータンのヒップホップに魅了され夢を思い描く若者たちを撮っていて、とてもおもしろかった。写真だけでなく、彼らのグラフィティ(私には変な落書きにしか見えないが)や手紙なども展示され、彼らの息づかいがリアルに感じられた。


 主人公は、首都ティンプーに住むクンザン・チョゲル(4枚のうち右下の写真)。18歳。両親は離婚し、父はアメリカに、母はインドに住む。クンザンは学校をドロップアウトし、今は友だちの家を転々とするが、ラップとグラフィティでは一目置かれている。彼はヒップホップを通して仲間たちと出会い、生きる希望を見出したという。                  

     

(クンザンの描いたグラフィティ)
 ブータンでは今、失業率が高く、将来に不安を抱える若者たちが増えているなか、自分たちの存在を模索するツールとして、ヒップホップが流行っているそうだ。
 
「世界で一番幸せな国」で知られるブータンに、こんな現象があるなんて意外だった。写真を観るうちにどんどん引き込まれ、いつのまにか関さんを質問攻めにしていた。もっと調べて、ぜひテレビで取材したいと思う。

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 そのブータンが国連に提唱して、2011年から3月20日が世界幸福の日となった。この時期には毎年恒例の幸福度ランキングの発表がある。《調査は、各国で毎年1千人程度に「今の幸せは0〜10の段階でいくつか」と尋ね、国ごとの過去3年の平均値を算出して発表している。》(朝日)その結果は、156か国中、トップ4か国は北欧が独占し、日本は54位だったという。
 《国連は14日、世界幸福度リポート(World Happiness Report)2018年度版を発表した。156カ国の中から1位に選ばれたのは、昨年5位のフィンランド。昨年1位のノルウェーは2位にランクインし、上位4位はすべて北欧諸国が占めた。日本は昨年から順位を3つ下げて54位だった。最下位はアフリカ諸国が占め、156位はブルンジだった。》
 ちなみに、オリジナルの資料をあたると、27位にはいった台湾が"Taiwan Province of China"(中国・台湾省)と記されており、「国家」として認めていない。実際は台湾を入れて157か国で実施され、日本は54位ではなく55位となる。台湾の扱いは気になるが、これはおいといて、幸福度の数値はと見ると、1位のフィンランドが7.632、55位の日本が5.915。http://worldhappiness.report/ed/2018/
 さあ、肝心のGNH(国民総幸福量)の提唱者であるブータンは・・・と探すと、あららずっと下の98位!!幸福度は0から10までのなかで5.082。
 いったい、どうなってるんですか?

 「しあわせ」の話はまたいずれするが、ブータンで若者たちが生きにくいと感じられるようになっているらしい。いろんなことを考えさせられる。
(写真はすべてOF HOPE AND FEARに展示されていたもので、会場で関さんの許可を得てスマホで撮らせてもらった)