18日の『毎日新聞』夕刊で拙著『ウクライナはなぜ戦うのか~ジャーナリストが戦場で見た市民と愛国』(旬報社)の特集が載った。過大な誉め言葉は恥ずかしいが、本の販促になってほしい。

トランプ大統領がウクライナ戦争の早期停戦に向けて動き出した。
動きははやく、ロシアのプーチン大統領と首脳同士で停戦交渉をしようとしている。
狙うのは、ウクライナを置いてきぼりにした、頭越しの「手打ち」。プーチンはトランプを「ドナルド」などと親し気に呼び、蜜月ムードが始まっている。

この戦争はロシアの一方的な侵略で始まり、戦争を辞める決断ができるのはプーチンである。ロシアは軍事的にはもちろん国力からいっても圧倒的に強い。プーチンが納得する和平とは、侵略を正当化し、ウクライナに事実上の「敗北」を迫るものにしかならないことは明白だ。
本ブログで繰り返し書いたように、ウクライナはロシア領に対する攻撃を欧米から禁じられ、一方的に破壊にさらされてきた結果、国民の中からも不利な条件でも「戦闘が終わって人が死ななくなるのだから今よりマシだ」と評価する人も出ている。軍事大国ロシアとの先が見えない戦争のなか、人々は疲れ切っている。しかし、それでも、あまりの理不尽に反発もまた強まっている。
以下、加藤直樹さんのFBより
ウクライナ知識人のツイートから。
■政治学者
「私は2019年にゼレンスキーに投票しなかったし、その後も彼の政策を繰り返し批判してきた。戦争が終わった後も彼に投票するつもりはない。しかし、ウクライナがいまだ攻撃下にあり、抵抗のために団結する必要があるときに、誰かが『彼を落選させよう』などと言っても、私は許さない」
■日本でも翻訳が出ている国民的作家アンドレイ・クルコフ
(ロシア系でロシア語話者)
「トランプが『ゼレンスキーの支持率はわずか4%だ』と発言したことで、ゼレンスキーを支持していなかったウクライナ人もウクライナ大統領を擁護するようになった。そのため今日、彼の支持率は50%から57%に上昇した。トランプはゼレンスキーのために働いているのか」
■ウクライナ左翼「社会運動」理論家ユリア・ユルチェンコ
「ウクライナには多くの問題がある。私自身、大統領とその政党を批判してきた。しかし、現時点でウクライナ批判を増幅させているのは、ウクライナに降伏を要求する前に、ロシアの侵略の被害者を責めるためだということははっきりしている。信用するな」
■外交アナリスト
「ホワイトハウスの多くの人々は、ウクライナ人がたまたま大統領職に就いている特定の人物を中心に団結しているのではなく、『自由で主権を持ち、独立したウクライナ』という理念を中心に団結していることを知って驚くだろう。私たちの忠誠は共和国に向けられている」
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拙著の表紙にも書いたが、ウクライナの人々は「政府も大統領もあてにしていません」との思いで抵抗している。これこそ本物の「愛国心」だと思う。
ウクライナにとってだけでなく、世界全体にとって正念場である。こういうときに拙著が読まれて欲しいと願う。