ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の首脳会談。
見てるうちに気持ちが悪くなってきた。怒りというより、米国の正副大統領がゼレンスキー氏をここまでバカにし、衆人の見る中で罵倒することが信じられなくて。

私はその前に、トランプ氏のSNSで流しているという、ガザをリゾートにするというAI動画を見ていた。仰天した。いくらなんでも、これはもう人間としてやっちゃいけない線をはるかに超えてる。この人が、世界でもっとも影響力のある大国のリーダーであることがあらためて心底恐ろしくなった。





一かけらの慈悲心をも持ち合わせないこの男が、ゼレンスキーとウクライナ国民を侮辱している・・私にはほとんどシュールな世界に見えた。
はてはスーツを着ないのは無礼だなどとヤジられたりもしていたが、ゼレンスキー大統領はロシアの全面侵攻後、戦地で戦う国民に寄り添うため戦闘服しか着ないと誓っている。彼は英国王を会った時も、誰と会うときもこのかっこうなのだ。(イーロン・マスクはラフなかっこうで大統領執務室に出入りしているではないか)
首脳会談の決裂で、ウクライナの将来に暗澹とする一方で、だからこそしっかりウクライナを支えなくてはと思った。
そもそもトランプ氏はごくごく基本的なところでウクライナ問題についての認識を間違えている。プーチン側に立つことが先に決まっていてそう考えるのかもしれないが。
彼は「ロシアはかなり前からウクライナのNATO加盟は認められないと強く主張してきた。NATO加盟問題が戦争が始まった理由だと思っている」と語る。

百歩譲って、そうだとしても、ロシアがウクライナに侵攻してよいとはならない。将来危険になるからという理由で先制攻撃することは許されない。トランプ氏がグリーンランドは米国のものだと思ったとしても、いきなり軍事攻撃で奪うことは許されない。
このかんフィンランドとスウェーデンが新たにNATOに加盟したが、プーチンは大きな反応を示していない。それにウクライナのNATO加盟は2022年段階ではまったく実現の見通しがなかった。
NATOが問題なのではなく、プーチンは、ロシアと一体であるべきウクライナがロシアから独立した民族、独立した国家になることが許せないのだ。ましてやロシアから離れてEUの方に接近するウクライナは罰せられないといけないと考えたのだ。
ウクライナのシビハ外相は「この戦争の根本原因はプーチンによるウクライナの存在権否定とウクライナ破壊の願望だ。それが戦争を始め、残虐行為を犯し、力で国境を変えようとする理由だ」と明快に述べている。
このあたりは拙著『ウクライナはなぜ戦い続けるのか』(旬報社)で解説してあるので、ご関心ある方はお読みください。

きのう『しんぶん赤旗』に拙著の紹介が載っていると友人が知らせてくれた。このタイミングで紹介されるとはタイムリーでありがたい。