『暮しの手帖』8月号の「目利きの本屋さんに聞いてみた」というコーナーで、大阪の隆祥館書店の二村(ふたむら)知子さんが『中村哲という希望』を薦めてくれている。熱い推薦の辞をいただきたいへん光栄です。
『中村哲という希望』を隆祥館書店のノンフィクション大賞に選んでいただいたことは先月紹介した。おかげさまで、いま本屋に並んでいるのは「4刷」で、売れ行きは好調らしい。
店主の二村知子さんは、かつてシンクロナイズドスイミングで井村雅代コーチに師事し、日本代表として世界3位になったという方。お父さんの跡を継いで経営している書店は、テレビなどのメディアにもよく取り上げられ、この経営方針は本屋の生き残りの一つの道を示していると思う。大阪に行く機会があったら訪れてみたい。
二村さんのノート連載は
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ガザの事態は人類史の汚点となるだろう。
毎日、虐殺が世界中に映像で流されながら、止められない。我々はまるで映画の観客のように眺めているだけだ。
パレスチナ問題に詳しい小田切拓さんから、ガザの住人のXが転送されてきた。
Martyrs of Gaza(ガザの殉教者たち)というユーザーネームでこう発信している。
これが、私たちからの最後の投稿になるでしょう。
私たちのヒューマンストーリーを語ることに、もはや意味はないと思うからです。だれもが私たちが殺されるのを見るのに慣れてしまいました。単に連帯感を満足させるために私たちの声を世界に発信するリスクを冒すことに、もはや価値はありません。私たちのヒューマンストーリーの多くも、もはや人々の関心を引きません。(私たちの声さえ無視され続けています)
今や救済者を待つのは止めて、私たちが自助によって生き延びる時です。
あなた方の祈りの中に私たちを留めおくよう試みてください。
恥じ入るしかない。言うべき言葉がない。