都合悪い時だけ人事不介入

 きのうの朝、NHKの「おはよう日本」をつけていたら、知った顔が現れた。

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8日の「おはよう日本

 京都の新電力「テラエナジー」の代表、竹本了悟さんが、電力価格の高騰のニュースで取材に応じていた。
(テラエナジーについてはhttps://takase.hatenablog.jp/entry/20210110

 竹本さんとは去年、Zoomで直接にお話した。高い志で新電力を運営していることを知り、私のうちも電力をテラエナジーに切り替えたのだった。

 テラエナジーなどいくつかの新電力は、市場価格に連動する価格設定をしている。市場価格連動型の方が、使用者は通常、使用料が安くなるのだが、その調達価格が通常の15倍という異常な高騰で、先月の請求書は目の玉が飛び出るほど高額だった。

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1月は日本全体が震災級の異常事態になっていた(4日の「ニュース9」)

 竹本さんはNHKのインタビューで
「これほどの高騰リスクをお客様が抱えてしまわなきゃいけないということには、弊社としても何らかの手だて、対策をうたなければならないなと」
「市場価格で調達するというところは少し減らしていって、しっかりわれわれもアプローチしていこうと」と答えていた。

 700社近い新電力の多くは追い詰められており、「楽天でんき」は先月26日から新規申し込みの受け付けを一時停止した。
 また、秋田県の新電力「かづのパワー」は採算が採れなくなったとして今月14日で電力の小売事業を停止した。やはり危惧したとおり、実際に行き詰まる新電力が現れた。年末からすでに震災なみの異常事態が起きていたのに、政府は手を打たなかった、そのつけが出てきた。

 ここにきてようやく市場価格が下がっているが、今後これが繰り返されてはならないし、窮地に陥っている新電力へは支援してほしい。
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 粗大ごみまだ使えると取っておき (埼玉県 鈴木雄二)

 都合悪い時だけ人事不介入 (静岡県 櫻井恵里子)

 9日朝刊の「朝日川柳」より

 東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗氏は会長を辞任するつもりだったのに、周りが必死に止めたという。これじゃ、ますます世界から軽蔑されるだろうな。

日本オリンピック委員会(JOC)での女性理事を巡る3日の発言は、瞬く間に国内外へと波紋を広げた。森氏によると、4日午前、東京・晴海の組織委に森氏が到着すると、遠藤利明副会長や武藤敏郎事務総長ら幹部が集まってきた。「(辞任の)腹を決めた」。森氏がそう伝えると、周囲から「とんでもない。みんな納得しない」などと翻意を促された。安倍晋三前首相らからも電話があったという。》(東京新聞9日)

 その光景を想像するに、醜悪で気分が悪くなる。

 「東京新聞」が組織委の理事にアンケート調査をしたら、辞任すべしという人は誰もいなかったという。
森喜朗会長の女性蔑視発言を巡り、本紙は、会長を解職する権限を持つ組織委の全理事34人(森氏を除く)の意向を探った。回答した14人からは辞任を求める声は出ず、退任を求める世論との開きが鮮明に。今夏の東京大会開催まで半年を切る中、穏便に済ませようという事なかれ主義や、もたれ合いの体質がにじむ。》(東京新聞9日)

 森氏の発言を「国益には芳しくない」と言った菅首相、8日の衆院予算委員会で、野党に森氏に辞任を促すよう求められると、「私が進退を問題視すべきではない。組織委の中で決定してもらう」と、自身は無関係であることを強調。
 これについて東京新聞は、厳しく批判している。
組織委が政府から独立した公益財団法人であることを理由に挙げるが、政府からの独立した審議を法律で定められた日本学術会議の新会員に関しては、一部候補の任命を拒否した。今回は対照的な対応となった。
首相は組織委の顧問会議議長でもあり、組織委の定款では、顧問会議は法人の運営に助言できる》という。

 国益に関わるなら、毅然とした措置をとったらどうですか、菅首相
 どこまでいっても事なかれ、では支持率が落ちっぱなしも当然だ。
共同通信社が6、7両日に実施した全国電世論調査によると、女性蔑視発言をした東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗会長に関し、会長として「適任とは思わない」との回答が59・9%に上った。「適任と思う」6・8%、「どちらとも言えない」32・8%だった。菅内閣の支持率は38・8%で前回1月調査から2・5ポイント続落し、初めて40%を割り込んだ。不支持率は3・1ポイント増の45・9%となった。
 放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男による総務省幹部4人の接待問題では、首相の説明に「納得できない」が62・0%で「納得できる」30・8%を大きく上回った。
 今年夏の東京五輪パラリンピックの開催形式を尋ねたところ、観客数制限が49・6%、無観客が43・1%、通常通りが3・4%だった。開催は「中止するべきだ」が35・2%、「再延期するべきだ」が47・1%で、合わせて80%以上が見直しを求めた。「開催するべきだ」は14・5%。》

 民意ははっきりしている。
 森氏は解任、五輪の7月開催はなし。