統一教会と日本会議 なぜ「共闘」できるのか?2

 はじめに、うれしいニュース。

 【マニラ共同】フィリピンのラモン・マグサイサイ賞財団は31日、「アジアのノーベル賞」といわれるマグサイサイ賞を、ベトナムを中心に東南アジアで失明予防に尽力してきた眼科医の服部匡志氏ら4人に授与すると発表した

 服部匡志医師とは―
 2002年に京都でベトナム人医師と出会った事がきっかけで、服部は日本とベトナムを往復する生活を送る事になる。ハノイ国立眼科病院において服部にしかできない高度な治療術で、多くのベトナム人の眼に光を取り戻している。ベトナムでは服部は「神の手を持つ男」と呼ばれている。ベトナムの国営放送で3日に渡って服部の特集が組まれた事もあるほどである。

 だがベトナムでは報酬は一切受け取っていない。ベトナムでの旅費、滞在費、治療費などは、東北から九州まで日本各地で治療をこなして得たアルバイト報酬でまかなっている。その為、服部は年収400-500万程度でしかないが、本人は気にしていない。(wikipedia

《服部匡志さんは、NHKのオンラインインタビューに応じ、受賞について「びっくりしました。こつこつとこの活動を続けてきたので、よく見つけてくださったと感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びを語りました。

 これまでのベトナムでの医療活動について、服部さんは「“アホちゃうか”って、よう言われました。自分がしたいから続くのであって、人の目を気にしない、誰が何を言おうと僕はこれをやるんだという強い意志があったから、20年続けてこられたんだと思います」と振り返りました。

5日のNHKニュースより

 そのうえで、活動のやりがいについて「自分が手術をすることによって光を取り戻してもらう、その患者さんの笑顔が僕にとっては最高のハピネスで、それはなかなかお金で買えるものじゃない。目が見えるということは、その人だけでなく家族全体が変わっていく。それが貧困からの脱出の手助けになればと思っている」と述べました

 ベトナムで眼科医の育成にも力を入れてきた服部さんは、今後について「アジアの先生方が自由に出はいりして、研修を受けて帰っていけるような病院を作りたい」と抱負を述べました。(NHKニュースより)

 すごい人である。

 利他的な行為を「私はいいことやってます」と意識せずに自然体でやれるのに感銘を受ける。中村哲医師にも通じるところだ。

 服部さんについては、かつて私の会社で番組化をめざしてかなり調べたことがあった。こういう日本人が認められるのはうれしいし誇らしい。

 あ、中村さんで思い出したが、中村哲医師こそ「国葬」に値する人だったと思う。

 中村さんが凶弾に倒れたあとの安倍内閣の扱いの冷たさには、今でも怒りがこみ上げる。

 カブールでは大統領がアフガニスタン国旗に覆われた中村さんの棺を担いで最高の敬意を示した。ところが遺体が成田空港着くと「白い布で覆われたひつぎは、地上作業員が一礼して出迎えた後、貴賓室前の車寄せに運ばれ、一緒に帰国した妻と長女、外務省関係者らが献花。黙礼してその死を悼んだ。駐日アフガニスタン大使も参列した。」(朝日新聞)

 安倍首相が駆けつけて「日本の宝」として迎えるのかと思ったら、政府を代表して来たのは鈴木外務副大臣のみ。これはどういうことだ!?

takase.hatenablog.jp

 安倍氏国葬なんてとんでもない。

 安倍氏統一教会にとって政界への「窓口」だったことが日々明らかになってきている。日本の政治をめちゃくちゃにしただけでなく、韓国、北朝鮮の権力者とつるむ統一教会を日本政界に呼び込んだ亡国の宰相ではないか。

 『毎日新聞』につづいてJNN世論調査でも内閣「不支持」が「支持」を上回った。国葬反対は51%で半数超え。

 また、「自民党は党所属の国会議員に対し、旧統一教会との関係について自ら点検し、党に報告するよう求めていますが、これが実態の全容解明に繋がると考える人は6%にとどまり、89%の人は「解明されない」と答えました。」(JNNニュース)

 そりゃそうだろう。自民党がいまさら「点検」と称してやってるのは、すでにマスコミがとっくに議員らに行ったのと同様のアンケート調査にすぎない。あとで違っていても、「気がつきませんでした」で済まされてしまうだろう。

 ジャーナリストの鈴木エイト氏が2日、文化放送大竹まことゴールデンラジオ!」で、 自民党の所属国会議員に対する調査について〝ダメ出し〟した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c39e520a946570748ded7c268975c5f21e2c623

 《配布されたアンケート用紙には「会合への祝電・メッセージ等の送付」や「広報紙誌へのインタビューや対談記事などの掲載」、「旧統一教会関連団体の会合への出席」、「選挙におけるボランティア支援」の有無など8項目にわたり確認することになっている。

 これに鈴木氏は「実は1枚目に『党としては組織的な関係はないことを確認しております』とあり、その前提のもとで8項目がある。全然足らない」とバッサリ

「例えば『秘書を受け入れきた』とか、『教団に対して何がしかの便宜を図ってきたか』とか、『政策決定に影響を与えたか?』とかそういう本来聞くべきことがまったく抜け落ちている。『どういう議員がどういう関係だったか知っているか?』など自由に書く欄もない」と鋭く指摘した。

 それを踏まえ「『この8項目以外のことは書くなよ』と足枷のついたアンケートだと思う。その上で『党との組織性をにおわすことは書かないでくれよ』というのが、しっかり1枚目にある。まったく公正、公平な調査とは言えない。自己申告で自分の首を絞めるようなこと言うわけがないんですよ、根本的に」と断じた。》

 まったくそのとおり。
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 さて、きのうの続き。

 韓国国粋主義統一教会民族派日本会議は、戦前の日本のアジア侵略をめぐる歴史認識では全く相いれないはずなのに、なぜ「蜜月」関係でいられるのか。

 これについて、東京新聞田原牧論説委員が以下のような指摘をしている。 
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/196569/1

 
《両者の協調は長い。日本会議は97年に設立されたが、その準備過程ともいえる70年代後半の元号法制化運動では、熊本県生長の家政治連合(生政連)と勝共連合などが協力し、法制化推進のための県民会議を結成している。

 生政連が支援母体で、総務庁長官を務めた自民党議員、玉置和郎氏は勝共連合の顧問でもあった。

 この協調関係は右派系文化人らの動きからも明らかだ。日本会議と関係する大学教授らは同教会系の団体「世界戦略総合研究所」でしばしば講演していた。彼らは同教会の関連団体「世界平和教授アカデミー」の機関誌にも執筆している。》(略)


《ある右翼関係者は「日本会議を切り回す生長の家の元信者と原理研は『戦友』だから」と説明した。

 60年代末に学園闘争が盛んだった時代、長崎大などで民族派学生運動を担っていた元信者らと旧統一教会の学生(原理研)らは全共闘系の学生らとの衝突で、ともに闘った間柄だった。その「血盟」が続いているという解釈だ。

 一方、一水会の現代表である木村三浩氏は「勝共はカネも動員力もある。そして『反左翼』でとりあえず共闘する。同床異夢でも、安倍政権を支えることで一致していた」と話す。いわば、打算による野合だ。

 加えて「勝共の初代会長は立正佼成会出身の人物。『日本の統一教会と韓国のそれとは違う』と説明した可能性がある」と語る。

 実益のための利用だとすれば、自民党などの一部議員たちが、選挙などに無償で提供される労働力ほしさから、旧統一教会と関係を結んだことと大差はない。

 しかし、教会側にも利用する意図がある。相手が議員の場合、官憲からの組織防衛とともに、政策面への影響も狙ってきた。旧統一教会の月刊誌「世界家庭」(2017年3月号)には関連団体の総会長が活動方針の一つとして「議員教育の推進」を掲げている

 「こちら特報部」が指摘したように、少なくとも自民党改憲たたき台案(18年)は、その前年に勝共連合が公開した改憲案と内容がほぼ一致している。

 日本人信者を食い物にした資金が、旧統一教会から北朝鮮の現体制に流れていた構図がある。旧統一教会の教典「原理講論」では、朝鮮半島における日本帝国主義の「虐殺」「殺戮」が説かれている。反共で一致するにせよ、旧統一教会との協調を日本会議などはどう正当化するのか。

 旧統一教会問題が再燃して以来、日本会議系の右派文化人らは総じて口を閉ざしている。そうした沈黙自体が旧統一教会による右派工作の産物の一つといえそうだ。》

 まだすっきりしないが、引き続き調べよう。

 今回、統一教会の異様な対日搾取構造(主に日本だけから資金を吸い取り、日本女性を花嫁として韓国人にあてがう)が広く知れ渡ったことで、まともな保守層が極右運動に距離を置く可能性がある。
 それがひいては統一教会日本会議を含む他の右翼諸団体との関係に影響していくのではないか。注視したい。

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 1日、ウクライナザポリージャ原発国際原子力機関IAEA)の調査団14人が入った。原発への攻撃が続くが、これをウクライナ、ロシア双方が、相手側の攻撃だと非難している。

 ロシアのフェイクニュースに違いないとは思うが、確証がなかった。

 そこにこの動画が入ってきた。敷地内に落ちた砲弾を調べていたIAEAの調査団が、「方向からいうとロシア側から発射されたようだ」と言う。
 すると、現地のロシア人の幹部が慌てて出てきて、「いや、ウクライナ側が発射したのが途中でぐるっと回って方向転換して飛んできた」と両手を回転させながら「解説」。

NHKニュースより

 ロシアが撃ったと認めれば、この幹部自身の身がヤバくなるからどんなに頓珍漢な理屈であっても弁明せざるを得ない。

 周りに取材者(もっともロシアが認めたものだけ)がいたので、一部始終が世界に配信された。ロシアの嘘はもう体質と化している。