私が住む東京・国分寺市で「まちの新聞『こくセージ』」が始まった。
「こくセージ」(Kokusage)とは国分寺+メッセージ/セージ(ハーブの)/政治/ソーセージ(おいしいものが詰まってる)だそうで、街や暮らしのことを気軽に語り合う場をめざすとのこと。
国分寺市には「こくベジ」という、300年の伝統がある循環型農業と地産地消を広げるプロジェクトがあり、「こくセージ」はこれをベースにしたものだ。
「こくセージ」の参議院選挙用「号外」では、東京都から立候補した34人の候補者一人ひとりの公約をQRコードで紹介している。
「国分寺市の投票率を一位にプロジェクト」というのもあって、投票日7月10日の「選挙マルシェ」(地元農園の野菜を販売)と8日と9日には国分寺駅前で選挙についておしゃべりする「コーヒー屋台」も開催する。
市民のこうした活動がもっと広まるといい。
なお、選挙の投票率では山形県がこのところ日本一になっている。「まじめな県民性」と評価されているが、どうなんだろう。良いことなので今回も期待してます。
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フィリピンの調査報道ニュースサイト『ラップラー』の閉鎖が命じられた。
『ラップラー』とは去年のノーベル平和賞の受賞者、フィリピンのマリア・レッサ氏が率いるネットメディアで、前大統領ドゥテルテ氏の人権無視の麻薬犯罪取り締まりを批判したことで政権から繰り返し弾圧を受けてきた。
『ラップラー』の共同創始者で編集長のマリア・レッサ氏は1年で10件もの逮捕状が発せられ禁錮6年の刑を言い渡された。露骨な圧力に、俳優ジョージ・クルーニーの妻で弁護士アマルも立ち上がり弁護団に加わっているという。
6月28日、フィリピン証券取引委員会(SEC)は『ラップラー』を閉鎖するよう命じた。SECはすでに18年に『ラップラー』が外国法人に預託証券を売却したことが国内メディアの外国資本規制に抵触するとして、法人認可を取り消す決定をしており、今回これを確認したもの。レッサ氏は「われわれは仕事を続ける」と述べ、法的に争う意思を明らかにした。
『ラップラー』は大統領選挙期間中に、マルコス氏がデマを対立候補に不利になるデマを拡散した疑いがあると批判してきた。マルコス氏が大統領に就任した30日の直前の閉鎖措置に、報道機関への「脅迫」の意味があるとみられる。
3月には、同じくノーベル平和賞を受賞したロシアのドミトリー・ムラトフ氏が編集長をつとめる独立系新聞『ノーバヤ・ガゼータ』が、当局のメディア規制によって活動停止を余儀なくされている。
ロシアのプーチン大統領は3月4日、ウクライナへの侵攻に関して「偽情報」を広めた場合には最長で禁錮15年の刑罰を科すとする改正刑法案に署名、同法が成立した。ウクライナ侵攻はあくまで「特別軍事作戦」であって「戦争」や「侵攻」という表現を使うと「偽情報」だという。
「ノーバヤ・ガゼータ」は、ウクライナ侵攻に関する記事をサイトから削除。さらに28日には軍事作戦が終了するまではウェブ上の記事も含めて新聞の発行を見合わせると発表した。記者を刑務所に送らないためにはそうせざるを得なかったのだろう。
マリア・レッサ氏はノーベル賞の「受賞が(圧力に対する)一種の盾になる」ことを期待すると語っていたが、受賞から半年、二つのメディアが直面する状況は「盾」を粉砕するほど過酷なものだ。
6月20日、ムラトフ氏はノーベル賞のメダルを競売にかけ、落札額約140億円をウクライナの子どもたちの支援に寄付すると発表。受賞メダルは報道人としての良心に沿う形で「活用」された。
「私たちは事実のために闘わなければなりません。ジャーナリズムの仕事は、事実とその文脈を検証することです。それによって平和が守られ、戦争が回避されるのです。」(マリア・レッサ氏)
戦争ほど偽情報、フェイクニュースがはびこるときはない。また、戦争当事国以外の各国で、戦争を理由に平時には無理な政策をねじ込もうとする動きも見られる。
ジャーナリズムへの期待がいっそう高まるのに合わせたようにメディア規制が強まっている。