6日の日曜、富士見台高原(長野県阿智村)で日の出を見てきた。
低気圧がきた週末にもかかわらず、この日の朝は晴れて周囲の山々がくっきり見えた。
冬山の荘厳な美しさに魅せられた。
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4日のブログで触れた日本政府のウクライナからの退避勧告にしたがって、ほとんどの日本のマスコミの記者はウクライナ国外に出た。
その一方で、日本人フリー・ジャーナリストたちがウクライナに入り始めた。
今日段階で私の知り合いでは少なくとも5人の入国を確認した。ぜひ日本人の視点で独自の取材をやってほしい。そして無事に帰国することを祈っている。
また、彼らが常岡浩介、安田純平両氏のように旅券の発給を拒否されるようなことにならぬよう、見守っていかなければならない。
(常岡さんへの旅券返納命令についてはhttps://takase.hatenablog.jp/entry/2019/04/24/)
(安田さんの旅券発給拒否問題についてはhttps://www.call4.jp/story/?p=1188)
ロシア国内での報道弾圧が激しい。
すでに、すべての独立系メディアが閉鎖された上に、ロシア軍の軍事行動について「虚偽」の報道をすれば、最大15年の禁錮または懲役という「虚偽報道禁止法案」が4日可決された。ウクライナでの軍事行動を「戦争」、「侵略」と表現しただけで「虚偽」報道とみなされる。
報道に刑事罰を科すという、信じがたい弾圧法規だ。
対象には外国メディアも含まれる。
これに対し、英BBCは「ジャーナリズムを違法とする以上、仕事を一時停止する以外に手段はない。世界にいる我々の記者は侵略を報道し続ける」としてロシア国内での取材活動を一時停止。CNNやブルームバーグなども取材活動を一時停止している。
国際放送「NHKワールド JAPAN」の英語テレビ放送もロシア国内で配信停止になった。現地の代理店が配信停止を通告してきたという。
国連はじめ国際機関や米国、NATOも、誰もロシアのあからさまな侵略戦争を止める実効的な手段をとれないでいる状況で、期待されるのはロシア国内の戦争反対の動きだ。
しかし、ロシアのメディアが翼賛報道一色になるなかで、はたして戦争反対の世論が盛り上がるのだろうか。
ウクライナではロシア軍が、クラスター爆弾や燃料気化爆弾などの非人道的な兵器も使用している疑いがあり、住民の犠牲が増えている。残虐な住民への攻撃に世界中で抗議の声が高まっているが、プーチンは意に介する気配がない。
プーチンっていったい何を考えているのか?
これは誰もが知りたいことだ。
友人の水島朝穂早大教授のブログに、ドイツの週刊誌『シュピーゲル』の記事をもとにした興味深い指摘があった。
《何がプーチンをそこまで突き動かしているのか。
いろいろな読み解きが可能だろうが、その一つに、Der Spiegelデジタル版(3月2日)に出ていたClaus Leggewie(政治学、ロストック大学)の分析がある。「プーチンは狂気ではなく、イデオロギー的に一貫した行動をとっている。プーチンの行動を理解するには、どのようなイデオロギーが彼を動かしているかを知る必要がある」として、プーチンが、「ユーラシア人」と「大西洋人」との最終闘争(Endkampf zwischen “Eurasiern” und“Atlantikern”)を信じていると指摘している。プーチンのNATOへの異様な拒否反応は、ここに起因しているようである。したがって、ウクライナのNATO加盟は、プーチンにとっては絶対的に阻止されねばならない「レッドライン」というわけである。プーチンにとって、ウクライナとバルト三国は特別である。「特別の軍事作戦」がウクライナだけにとどまらない可能性も指摘されるのは、プーチンの「大ロシア主義」の世界にNATOが踏み込んできたからだろう。》
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2022/0307.htmlより
「最終闘争」!?・・・石原莞爾の「世界最終戦論」や人種戦争の勝利をめざしたナチズムを想起させるが、この解釈が正しいとすれば、プーチンは確固たる壮大なイデオロギーにもとづいて行動していることになる。
権力や金への執着を行動原理にするその辺の「普通の」独裁者とは違うわけで、政策誘導は非常に難しいだろう
プーチンの人物像をもっと知りたい。