タイトルは、きのうの「朝日川柳」に載った埼玉県の小島福節氏の作だが、朝日新聞の調査では、今度の総選挙、自公政権が揺るがないとの見立てが出ている。
朝日新聞は先週末の調査から、内閣支持率が発足時より上がって、総選挙では「自民が単独過半数確保の勢い、立憲はほぼ横ばい」の予測を出した。
静岡の参院補選で自民党が負け、野党がひょっとして、、と思ったのだが、全国の情勢は意外に自民が優勢のようだ。
NHKの調査では、政府のコロナ対応を「大いに評価する」と「ある程度評価する」合わせて59%だという。あれ、五輪前は圧倒的多数の国民が政府のコロナ対策をボロクソに言っていたのに。
コロナの新規感染者がきょうは東京で21人。感染者の激減が、自民党への支持につながっているのか。のど元過ぎれば熱さ忘れる。
だが、ここで安倍・菅政権のコロナ対策の酷さを振り返ろう。
きのうのニュースで、あの安倍政権の布マスクが大量に倉庫に眠っていたと報じられた。ばかばかしい「アベノマスク」騒ぎ、ありましたね。
《新型コロナウイルス対策として国が全世帯や福祉施設などに配った通称「アベノマスク」を含む布マスクについて会計検査院が調べたところ、国が調達した計2億9千万枚のうち3割近い約8300万枚(約115億1千万円相当)が今年3月末時点で配布されず倉庫に保管されていたことが27日、関係者への取材でわかった。保管にかかった費用は、昨年8月~今年3月で約6億円に上るという。》(朝日新聞)
感染がどんどん増えつつあるときに発動したGO TO事業というバラマキ。ブレーキをかけるべき時にアクセルを踏むのかと呆れられた。あれも酷かった。
もっと根本的な問題がある。
保健所の数を1990年代の850以上から削りに削って469に(2020年)していた。結果、コロナ感染で保健所機能はすぐにパンク。PCR検査というコロナ対策のイロハはないがしろにされたままだ。
医師数の抑制、病床削減、病院の統廃合を進めて感染者病床は半減。感染者を「自宅療養」という名の棄民にした。自公政権の間違った保健行政によって、たくさんの人が命を落としている。これ、忘れないでおこう。
このところ、マスメディアでアベノミクスの評価に関して、日本の賃金が先進国でほぼ唯一上がっていないという実態を紹介している。すでに韓国にも抜かれている。
名目賃金が30年間ほとんど同じということは、実質賃金はかなり下がっていることを意味する。
非正規雇用を奨励し、結婚もできないと嘆く若者を作るのは「亡国」の政策だ。責任は問われなければならない。
岸田内閣は、「新しい資本主義」なる看板を掲げるが、安倍・菅路線にNOと言うことはできないし、言っていない。
投票の前に、しっかり過去を振り返っておこう。
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今回の立候補者に唯一、個人的に知っている人がいて、陰ながら応援している。
東京15区(江東区)で立憲民主党から立っている井戸まさえさんだ。野党統一候補である。
ここは、自民党が2人に推薦を出すという異例の対応をしているほか、ヘイトで名高い「在特会」元会長の桜井誠氏が立つなど話題の選挙区だ。
https://cdp-japan.jp/member/34/%E4%BA%95%E6%88%B8%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%88
数年前、ある飲み会で、たまたま隣り合わせた。
接点はサハリン(樺太)。
私は1980年代末からサハリンの残留朝鮮人と残留日本人の取材で現地に入っている。井戸まさえさんは、日本の無国籍者の調査でサハリン残留日本人に会いに行っていた。
戸籍に登録されずにいる「無戸籍者」は少なくとも1万人はいるとされ、井戸さんはこの問題に長年取り組み、無国籍者に支援を続けてきた。
実は彼女自身が、離婚後300日以内に生まれた第4子が無戸籍児となった体験をもつ。
井戸さんと会ったのが、ちょうど私の会社「ジン・ネット」が、日テレの「ニュースevery」で「無戸籍児」の特集を制作した後だった。この特集では、母親のネグレクトにより10歳まで戸籍もなければ学校にも通えなかった「なつみさん」(現在21歳)が顔出しで取材に応じてくれた。なつみさんはハンデを乗り越え高校では生徒会長にまでなり、今はバイトに追われながらがんばって大学で学んでいるが、10年の「失われた歳月」がいまも彼女の人生に大きな影を落としていることを率直に語っている。
そんなこともあって話がはずみ、彼女の15年にわたる無戸籍者支援活動を知ることになった。
無戸籍者問題は、国家とは何かにもつながる重要なことがらなので、いずれ紹介したい。
井戸まさえさんは、社会活動家としても、ジャーナリストとしても優れた能力をもっており、09年ては衆院議員に当選、一期務めている。ぜひ再び活躍してもらいたい。
江東区にお住いの方は井戸まさえさんに投票をお願いします。