山形県の新規コロナ感染者数がきょう49人で過去最多に。
また愛媛県が59人でやはり過去最多となり、中村時広知事は「『第4波』に入った。事実上の『緊急事態宣言』と受け止めてほしい」と語った。大阪も2回目の緊急事態宣言明け後の最多になり、明らかに各地でリバウンドが始まっている。
菅首相はいつものように、事態を注視している、自治体と連携しながら総合的な対策をとっていきたいというばかり。「国民の命と暮らしを守る」のお題目はもういいから、具体的なアクションプランを出してほしい。
こんななか、聖火リレー開始。第4波が本格化したらどうするのか。毎日LINEで送られてくるコロナ感染情報を見るのがこわい。
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先日、名古屋入管の収容施設で、ある外国人女性が死亡した。
《「ここから連れ出してほしい」。それが、30代のスリランカ人女性から、支援者が聞いた最後の言葉だった。名古屋出入国在留管理局(名古屋市港区)に収容されていた女性は、支援者が面会した3日後の3月6日、居室内で脈がない状態で見つかり、緊急搬送先の病院で死亡が確認された。支援者らは「最後の面会時、体調が極端に悪化した様子だった。死んでしまうから入院させてと入管に訴えたのに」と批判。上川陽子法相は、事実関係の速やかな調査と結果の公表を表明している。》(毎日新聞)
今夜のNHK「ニュース9」が入管による外国人の長期収容を特集し、この女性の事件を報じていた。
去年6月時点で入管の施設に収容中の外国人は約500人とあるが、これはコロナ対策で多人数を仮放免したあとの数字だ。
亡くなったのは、スリランカ人女性、ウィシュマさん(33)。4年前に来日し、日本語学校に通っていたが、実家からの仕送りが途絶えて退学。在留資格を失い、ウィシュマさんは去年8月から入管に収容されていた。
彼女を支援していた眞野明美さんのもとには、ウィシュマさんが刻一刻と体調が悪化する様子を英語で書き送った手紙が残っている。
そこには「助けてください。回復するためには食べなきゃいけない。でもそれができないの」などと書かれていた。
「日本の子どもたちに英語を教えたい」という夢を持っていたというウィシュマさん。施設で長期間過ごす中で食道炎になり体重が15キロ以上減少したという。
眞野さんは面会のたびに「なぜ病院に連れて行かないのか」と入管にかけあったが、「医師の診断に基づいてやっている。心配ない」との返事しか返ってこなかったという。
最後に面会したのは亡くなる3日前だった。
「手が硬直しててしびれている。どう見てもすごく深刻な脱水症状じゃないかと思ったんです。私に、『ここから連れて行って』と言ったのが最後の会話でした」と眞野さんは語る。
入管施設では、平成19年(2007年)から今年1月までに16人が亡くなっており、うち5人が自ら命を断っている。
この件について入管(出入国在留管理庁)は「調査を継続している」として、ウィシュマさんの死因などの詳細を明らかにしていない。
「ニュース9」は、こうした日本の長期収容については国連が是正要求をしており、政府がこれに応じる形で今の国会に提出された入国管理法などの改正案を出していることに触れた。
これまで難民申請を行なっている間は強制送還できなかったのを、改正案では「難民申請を3回以上行った場合、申請中でも強制送還が可能になる」としていると、しっかり指摘した点は評価したい。
このニュースをキャスターがスタジオでこう締めくくった。
「いつ収容されるかわからない。そしていつまで収容されるのかもわからない。こんな不安な暮らしを強いられている人が私たちのすぐそばに実はいる。この思いをいたさないといけないと思いました」
「日本が大好きだという人がなぜ不条理なこんな目に合わなければならないのかな、という思いがします。
入管法の改正案は、収容の長期化を解消するため、逃亡のおそれが低いなど一定の条件を満たす人には、親族や支援者のもとで生活することを認めるとしています。ただ期限のない収容には手がつけられていないという批判の声が根強くあります。
日本は多様性を尊重し、人権を大事にしようという国。であれば一刻も早く、改善すべき課題だと感じました」。
影響力の大きな「ニュース9」で取り上げたことは、入管の収容制度について広く知ってもらう上で力になる。だんだんメジャーなメディアが報じるようになってきた。
なお、7年前にはスリランカ人の男性が収容中に亡くなった事件があり、ジャーナリストの樫田秀樹さんが記事にしている。
入管施設のなかでは不審な死亡事件が何度も起きているのだ。
「2014年11月22日、東京入管でスリランカ人男性ニクラス・フェルナンドさんが収容からわずか5日で死んだ。本人は当日の朝「胸が痛い。病院へ」と要請したのに、監視カメラ付きの個室に移され、数時間後に死亡。さらに遺体の額には謎の傷跡。」