コロナ後のテレビ界はどうなるのか2

 産経新聞朝刊一面トップで、北朝鮮で新たな拉致被害者が目撃されたとの記事が出た。
 《【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮にスパイ容疑で拘束され、2018年5月に初の米朝首脳会談に先立ち解放された韓国系米国人博士、ドンチョル・キム氏(66)が28日までに、産経新聞の単独インタビューに応じた。キム氏は04年ごろから拘束される15年にかけ、北朝鮮で自分の意思に反して留め置かれている「日本人7人前後とひそかに会った」と証言。大半が北朝鮮に「だまされて来た」と説明し、出国や日本の家族に連絡する自由を奪われていたといい、キム氏は多くが「甘言による拉致被害者だ」との判断を示した。》

 この7人が本当に日本人で、「だまされて来た」というのが事実なら拉致に違いないから大スクープだ。
 ただ、証言の信憑性については、今の段階では何ともいえない。一人でも人物が特定されるなど、具体的な材料が出てくるかどうか。さらなる情報を待ちたい。
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 新型コロナの国内感染者、ついに1日で1200人超。東京以外での感染拡大が顕著で、感染者ゼロだった岩手でも確認された。
 《国内で29日、新たに1259人新型コロナウイルス感染者が確認された。1日の感染者が千人を超えるのは初めて。愛知や大阪、福岡などで過去最多となるなど、東京以外の都市部で増加傾向が顕著となった。岩手で初の感染者が確認され、全ての都道府県で確認された。緊急事態宣言解除後に有効な対策が打ち出せない中、感染拡大が止まらない状況だ。》(共同)

 東京だけはずせばいいんでしょ、とGoToキャンペーンをごり押ししたやつ、どう責任とるんだ。安倍首相は隠れていないで、対策の陣頭指揮を取るべし。

 有害無益な措置を連発し、感染急増に右往左往するだけの政府を見ていると、東日本大震災時の民主党政権よりはるかに危機管理能力が欠如している。
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 香港では、アカデミズムの世界にも自由の弾圧が及んできた。
 《香港大学は28日、民主派の活動家である戴耀廷(ベニー・タイ)准教授を解雇した。戴氏は2014年の民主化デモ「雨傘運動」を主導。昨年、公衆妨害共謀罪などで禁錮1年4カ月の実刑判決を受け、香港大はこの判決を理由に解雇を決めた。
戴氏は判決後に保釈され、上訴中。
 香港当局は今月、9月の立法会(議会)選挙の民主派予備選に関与したと人物して、戴氏を名指ししていた。
 戴氏は香港大による解雇について自身のフェイスブック「香港では学問の自由が失われた。香港の学術機関は自分たちの成員を内外の干渉から守ることができない」と投稿した。》

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ベニー・タイ氏

 香港では副教授以上の大学教員の身分は定年まで保障されており、解雇は異例だという。香港にある中国政府の出先機関「中央駐香港連絡弁公室」は、戴氏の解雇決定を全面的に支持すると表明。
 当局の圧力で、他の大学にもこの動きが及んでいきそうな気配だ。
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 さて、きのうのテレビの話の続き。

 テレビの広告収入が右肩下がりの傾向はここ数年はっきりしてきたが、2017年末、四半期決算でフジテレビが営業赤字に転落というニュースにはさすがに驚いた。民放キー局が赤字になるなど、かつてなら想像できなかった。

 「貧すれば鈍する」ということか、広告と混然一体となった、おかしな番組制作が増える傾向にある。
 放送倫理・番組向上機構BPO)が地方民放局に対し、放送倫理に違反する行為があったとの判断が相次ぐ。BPONHK日本民間放送連盟(民放連)が設立した放送界の第三者機関。
 長野放送の『働き方改革から始まる未来』は、県内の社会保険労務士法人での働き方改革を紹介する内容で、同法人が県内の制作会社に制作を依頼し、完成素材を長野放送に納めた、いわゆる「持ち込み番組」だった。放送は同法人の1社提供で、合間にCMはなかった。BPOは、同法人とその事業内容のPR色が強いとして、検証委設立後初めて、広告をめぐる問題として放送倫理違反を認定した。
 このあと、琉球朝日放送の『島に"セブン-イレブン"がやって来た~沖縄進出の軌跡と挑戦~』と北日本放送の『人生100年時代を楽しもう! 自分に合った資産形成を考える』が、前者はセブンイレブンを、後者は地元の金融商品仲介会社をPRする要素が強すぎるとして「違反」の判定が下されている。

 「週間のコマーシャルの総量は、総放送時間18%以内」という日本民間放送連盟(民放連)の基準があるが、「今から30分は半額ですよ!」のテレビショッピングなど通販番組の多さは目に余る。どう見たって広告だと思うが、あれはあくまで「番組」で、セーフなんだそうだ。

 どうやって金を稼ぐかだけを追求すると、番組がどんどん貧弱に、そして危ういものにさえなる。

 苦境のテレビ界だが、新型コロナ感染でさらなるダメージを受けているという。ステイホームで視聴率は良かったのだが、肝心の広告収入が激減。4月、5月は在京民放局で昨年比3割以上の減だと聞く。番組制作費がいっそう削減されることになるだろう。NHKの一人勝ちの傾向がますます強くなりそうだ。

 制作にあたる人たちのモチベーションも下がるはずだ。
 この春、かつて一緒に仕事をしたテレビディレクターから、東京を離れて田舎に移住すると知らせてきた。地域おこしの仕事を見つけたという。その大きな理由が、テレビにときめかなくなったからだという。

 「テレビの仕事が来なくなった、そして、しゃにむに企画書を売り込んでまで番組を作りたいと思えなくなった、というのが、移住に傾いたきっかけなのです。
 もうあんまり楽しくない、ワクワクドキドキしない、お金のために言われるがままに作ることはできるかもしれないけどそんな自分はいやだ… って突き詰めたら、「そうだ、別のことやろ!」って(笑)なりました。
 ワイドショーは、雑誌の後追いばかりで、コメンテーターが適当に尺を埋めているだけに見えてくるし、報道も、「これ、報道?」って感じで、浅すぎて有意義な提案や、深い視点を与えてくれるわけでもなく・・」

 と書いてきた。私も同感で、テレビ番組づくりに前ほど魅力を感じなくなっている。

 近年、テレビ界から名の知れた人材が外に流れていくのが目立つ。
 例えば―
 日テレの制作局エグゼクティブ・プロデューサーだった古川圭三氏は、2013年、ニコニコ動画ドワンゴに移籍、いまは営業本部エグゼクティブプロデューサーである。

 前衛的な番組作りで注目されたフジテレビの報道局メディア担当局長、福原伸治氏は2018年退社し、オンラインメディアBuzzFeed Japanの動画統括部長となった。

 私が直接にお世話になったなかでは、フジテレビ「ザ・ノンフィクション」のチーフプロデューサー、張江泰之氏。彼は去年6月フジを退社し、インターネット動画制作会社Hariverを起業した。https://www.hariver.co.jp/

 また「情熱大陸」(MBS)のチーフプロデューサーだった福岡元啓氏は、今年、映像ビジネスの会社「ジンプク」を立ち上げている。https://www.jimpuku.co.jp/

 ワクワクドキドキを取り戻さないとテレビはじり貧になるだろう。
 テレビ関係の人とじっくり話してみたい。