コロナ後のテレビ界はどうなるのか

 山形県で豪雨のニュース。

 きょう28日、《気象庁によると、最大の24時間降水量は、山形県鶴岡市で同日夕までに226・5ミリに上るなど、山形県を中心に10カ所以上の観測点で7月の観測史上最大を記録した》(朝日新聞

 夕方には川の氾濫のニュースも。
 《山形県によりますと、午後5時現在で、県内では少なくとも15を超える川から水があふれているのが確認されたということです》(NHK)

 大きな災害にならぬよう祈る。農作物への被害も心配だ。

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きょう17:50ごろの最上川山形県大江町左沢=「あてらざわ」と読む)

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 朝日新聞がスクープ。

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27日朝刊第一面

 東日本大震災の復興事業を請け負った大手ゼネコンの支店幹部らに提供する目的などで、複数の下請け企業が不正経理による裏金作りを行っていた。ひどい話だ。
 取材で明らかになった裏金は少なくとも計1億6千万円にのぼるという。裏金の原資は国費。その財源は復興増税、つまり税金である。

 《取材で確認できたのは、清水建設、安藤ハザマ、鹿島、大成建設の幹部らへの提供を目的にした下請け企業の裏金作り津波災害によるがれき処理工事や、原発事故災害の復興・再生事業など、巨額の国費が投入された。事業の現場で行われた裏金作りに幹部が直接関与するケースもあった。
 朝日新聞が入手した資料や複数の関係者の証言などによると、裏金は主に、工事費の水増しによって作られ、ゼネコン幹部らへの現金提供やキャバクラでの過剰な接待費、海外旅行費などに充てられていた。》

 手口は例えばこうだ。
 《除染工事に清水建設の下請けで参加した東京都の建設会社は、清水建設に工事費を水増しして請求。正当な代金よりも多くの支払いを受け、数千万円の裏金を作っていた。裏金は、清水建設の現場幹部に10回に分散して現金などで渡したほか、現場幹部への飲食接待に使われたという。》

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 裏金のその他の用途としては、高級クラブの飲み代、ホステスへのプレゼントの高級時計、フィリピン旅行の旅費と小遣い、国内外の高級ホテルの宿泊費など。

 大手ゼネコンの「現場幹部」が業者を決め、請求額を采配する大きな権限を持っていることから、「お前の会社に発注してやろう。そのかわり・・・」と下請けに金品を要求する構図である。「魚心あれば水心・・・」の悪代官と越後屋そのもの。

 この場合、甘い汁を吸うのは「現場幹部」個人で、清水建設は通常より高い金額を下請けに支払うので損をする。本来は会社が徹底的に追及すべき問題のはずだが、どの大手ゼネコンも取材に応じず、だんまりを決め込んでいるのは、トップにいる幹部らも甘い汁を吸ってきた同じ穴のムジナだからか。

 このニュースを読んだ時、テレビ業界も同じだなと思った。

 あるテレビ番組制作会社の社長と二人で飲んだときのこと。制作会社同士で飲むと、話題は自然とテレビ局への呪詛になる。
 その社長は、ある在京テレビ局のプロデューサーから裏金作りを何年もやらされていると私に打ち明けた。よく名前を知られたプロデューサーだった。
 ただでさえテレビ局の給料は他業種に比べてとびぬけて高いのに、それに満足せずにリベートまで要求するのか!?

 「もらうのはうちの会社からだけじゃないから大変な総額になる。最近あの人は、都内に3軒目のマンションを買ったという話です」と社長。

 で、その手口は?
 そのプロデューサーは特番をよく担当するが、特番の場合、予算額はきっちり決まっていないことが多い。担当プロデューサーが、どこの制作会社を使うかなど制作態勢や予算配分に大きな権限を持つ。
 社長はそのプロデューサーの「おぼえ」がめでたく、ほぼ毎回ご指名で仕事をもらっていたという。番組納品後、社長が例えば1800万円の制作費見積もりを出すと、プロデューサーから「2000万円の請求書を書け」と言われる。水増しで請求せよというのだ。そして局から振り込まれた2000万円のうち、水増しした200万円をプロデューサーに渡すという仕組みだという。

 社長としては、仕事を受注したいから裏金作りを拒否できない。しかし、毎回当然のごとくにリベートを要求されるほか、飲み会だゴルフだと接待させられるのは屈辱的で、はらわたが煮えくり返る、というのだった。

 そんなのどの世界にもあるよ、といわれるかもしれない。しかし、報道やドキュメンタリーなどの予算がどんどん減らされていくなかで、テレビ局のお金の流れには関心を持たざるを得ない。
 
 去年ついに、インターネット広告費がテレビ広告費を超えた。

www.advertimes.com

 《インターネット広告費は新設項目を加えて2兆1,048億円、前年同様の推定方法の場合、1兆9,984億円(前年比113.6%)と6年連続で二桁成長。テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)の1兆8,612億円(前年比97.3%)を超える結果となった。》
 テレビの広告費は年々右肩下がりが続く。そこに新型コロナ感染がやってきた。
 テレビはいったいどうなっていくのか。
(つづく)