天安門事件から30年

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 写真家の鬼海弘雄さんがツイッターで配信する「今月の1枚」、6月はこれ。
 鬼海さん、先月末にホームページも開設した。ツイッター、インスタグラムに続いてネットでの発信を広げている。見習わなければ。https://hiroh-kikai.jimdofree.com/
 最新情報では以下のお知らせが載っている。

寒河江市美術館で鬼海弘雄の「PERSONA」写真展が開催(6月末まで)
滋賀県ボートアートミュージアムで「忘れようとしても思い出せない」というグループ展が開催され鬼海弘雄の作品も飾られます。(6月8日から)
・2019.06.01にBRUTUSという雑誌に鬼海弘雄のインタビュー記事が掲載。

 6月中に山形に帰省する機会があれば、寒河江市の写真展をのぞいてみたい。
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 きのう6月4日は天安門事件30年だった。
 香港では「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会)が主催する追悼集会に18万人(警察発表では3万7千人)が集まったという。

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 これは香港の活動家、「民主の女神」と呼ばれた周庭=アグネス・チョウのツイッターで、彼女はアニメで覚えた日本語で発信している。https://twitter.com/chowtingagnes#

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 香港では例年よりはるかに多い参加者で、集会は大きな盛り上がりを見せたが、民主化の活動は「曲がり角」に来ているとの指摘もある。
 《中国の民主化を求めた学生らが武力弾圧された1989年の天安門事件から30年を迎えた4日夜、香港で大規模な追悼集会があった。参加者らはろうそくを手に、関係者の名誉回復などを訴えた。主催したのは香港の民主派団体。若い命が奪われた悲劇を繰り返してはならないと事件後、毎年開いてきた。》
 《支連会は、香港市民も中国本土の住民も「同じ中国人」との立場から祖国の民主化を訴えてきた。
 しかし、2014年の民主化デモ「雨傘運動」が抑え込まれて以降、香港の若者の間で反中感情が広がり、「自分は香港人」とのアイデンティティーが強まった。中国本土の民主化より香港の民主化が先だと考える若者が増え、香港大など主要大学の学生会は、支連会の集会への参加を見送るようになっている。
 支連会の何俊仁主席は朝日新聞のインタビューに、「香港が中国の民主化運動で果たしてきた役割は大きい。毎年、何千万人もの中国人が来て、集会や言論の自由を目撃している」と活動の意義を語る。一方、自分たちの活動が、中国本土との違いを強く認識するようになった若者の共感を得られなくなっていることへの危機感を隠さず、「若者との交流を増やし、私たちの活動を理解してもらうしかない」と述べた。》(朝日新聞
 一方、北京では厳戒態勢がとられ、海外メディアは天安門広場への入場が禁止された。
 中国の民衆の間では、天安門事件は次第に忘れられ、関心を持たない人が多くなっているといわれる。当局の徹底した言論封殺に加えて、人々の関心がもっぱら生活の豊かさへと向かっているからだという。
 米国の異常な華為(ファーウエイ)叩きは、中国が最先端の産業のいくつかで世界のトップに躍り出たことへの危機感を表しているが、中国はどこまで奇怪な体制のまま覇権を強めていくのか。憂慮しないわけにはいかない。