さかなクン「学校へ行きたくない君へ」

 ここ数年、座っている時間が長いと寿命が縮まるという情報が広まったからか、電車の中で、席が空いていても立っている年配の人が増えたように感じる。席を譲る時、「この人は、長寿のためにあえて立つのを選んでいるのか」と一瞬考えるようになった。長生き、アンチエイジングの努力が極まる日本である。
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 このブログで中村哲医師や建築家の坂茂さんなどを「世界に誇れる日本人」として挙げてきたが、さかなクンもその一人だ。前から尊敬している。

 夕方の番組に、さかなクンが登場して、彼らしいとても印象的なコメントをしていた。ぜひブログで紹介しようと思っていたら、すぐに報知が記事を出したので、そのまま引用する。

さかなクン「学校に行きたくない」子どもたちにエール「広い海に出ることで自分に合う世界が見つかる」

 タレントで魚類学者のさかなクン(42)が、31日放送のNHK総合「ニュース シブ5時」(月〜金曜・後4時50分)に出演。多くの学校が新学期を迎える9月1日を前に「学校に行きたくない」と思っている子どもたちにエールを送った。
 この日の同番組では「学校へ行きたくない君へ」と題して、18歳以下の自殺が過去40年間のデータで最も多いとされる9月1日を前にした子どもたちに向けた特集を放送した。
 いじめや勉強についていけないなどの理由で不登校に陥るケースも多い子どもたちに対し、VTR出演したさかなクンは、自身の「学校についていけなくて、お母さんとクラスの担任の先生と会った」際の経験を披露。「魚が好きで絵を描くのが大好きなのもいいのですが、もっと勉強に集中しないと」と言う担任に対し、母親が「小さい時はそれでいいんです」ときっぱり言い放ち、積極的に水族館に連れて行ってくれた経験を明かした。
 「水族館に行ったら、いろんな魚がいて、ワクワクして。母も応援し続けてくれているのが、うれしくて」と話したさかなクン。「学校に行きたくないと思っている子たちに、魚の世界からのヒントを話します」と言うと、「海藻が枯れてしまうと、そこに隠れて命を育んできた小さな魚は困ってしまう。そこで無理に過ごそうとすると、大きな魚に食べられてしまう。そこで勇気を出して違う海藻のところに移動しなければいけない」と海中での例をあげ、「同じように学校に行こうと思っても、自分に合わないって時は違う手段があるんです」と続けた。
 さかなクンは学校での生活だけでなく、自分の好きな世界に飛び出して本当に興味を持てるものを発見した自身の経験から「広い海にギョギョッと出ることで、きっと自分に合う世界が見つかりますから」と、真剣な表情で言い切っていた。
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20170831-OHT1T50141.html

 さかなクンがカメラ目線で、けれんも邪気もなく「広い海にギョギョッと出ることで、きっと自分に合う世界が見つかりますから」と子どもに訴えている。すごいな、とテレビに見入った。きっと報知の記者も、たまたまつけていたテレビを観ていたく感動したのでわざわざ記事にしたのだろう。

 ちょっと付け加えると、さかなクンが、先生やお父さんから、もっとちゃんと勉強しないとダメだと叱られたりしたとき、お母さんはよく(勉強ができなくたって)「命がとられるわけじゃない」と言ってかばったという。そのとおり。苦しければ学校に行かなくていいから、命を絶つのはやめましょう。周りの大人は応援してあげよう。
http://quiizu.com/archives/35694