日本の資源は海だった

takase222014-03-02

雨のなか、青山のウィメンズプラザで開かれた「われは海の子フォーラム」の撮影に行く。
「われは海の子」プロジェクトは、子どもが日本の海の端っこ、つまり国境エリアまで訪れ、日本が世界で6番目に広い海を持つことを学ばせるもの。
去年から始まり、2年目の今年は都内の小学校に通う25人の記者たちが、「奥尻島」、「波照間島西表島竹富島石垣島)」、「壱岐島」、「沖ノ鳥島」、「南鳥島」を取材した。
(日本最南端の「沖ノ鳥島」と最東端の「南鳥島」には実際には行けないので、それぞれ横浜海上保安部自衛隊厚木航空基地を取材している。)
きょうは、子ども記者たちの発表会で、劇やクイズやパワーポイントで取材成果を報告した。主宰はNPO法人「海のくに・日本」で、去年に引き続き、私の会社が映像記録のDVD化を請け負っている。
http://www.wff.gr.jp/umi/(海のくに・日本)
沖ノ鳥島排他的経済水域が40万平方キロと日本の国土より広いことや日本には6852もの島がある島嶼国であることなどを知り、勉強になった。
民俗学宮本常一は、生涯で16万キロ、地球を4周分も歩いたと言われ、特に島々を歩き回った。彼の「島の数だけ違う日本の姿がある」という言葉がフォーラムで披露されたが、島嶼国であることが文化の多様性を育んだともいえそうだ。
このNPO「海のくに・日本」は、この日記で何度か紹介したWFF(ウーマンズフォーラム魚)が母体になっている。HPには;
《日本が海洋国家であることを再認識し、古来、海とともに生きてきた民であることに自信と誇りを持つことを理念とし、海というすばらしい資源、数千年にわたって培われて来た多彩な漁業や豊かな魚食文化、日本の各地域で育まれた郷土色豊かな漁村文化を、日本の未来を担う子どもたちに伝える活動を行うことで、広く国民に普及・伝承することを目的とします。》とある。
日本人はだんだん魚を食べなくなり、10年前は一人年間70キロ食べていたのが今は57キロまで減っているという。また、産業としての漁業が衰退しているのは、漁業従事者の高齢化を見てもわかる。こうした状況に危機感を持ってできたのがこのNPOで、子どもへの啓蒙を重視している。
発表の前に、アフリカ・ベナン共和国ゾマホン大使が1時間講演した。(写真)
あのたけしのテレビ番組「ここがヘンだよ日本人」に出演していたあのゾマホンだ。私は知らなかったが、今はれっきとした特命全権大使だという。
http://www.zomahoun.com/
アフリカには何でも資源があるが、資源のない島国の日本がなぜ発展しているのかと歓心を持って私費留学したそうだ。「日本の資源は海しかない。このすばらしい資源を大事にしてください」というのが結論だった。