ISの製造責任を認めた山崎拓氏

takase222015-06-13

ベテラン政治家4人が「決起」したとのニュース。
自民党副総裁の山崎拓氏ら与野党の重鎮4人が、日本記者クラブで記者会見し、安全保障関連法案について反対する考えを表明しました。
記者会見には、元自民党副総裁の山崎拓氏、民主党政権財務大臣などを務めた藤井裕久氏、元さきがけ代表の武村正義氏、元国民新党代表の亀井静香衆議院議員与野党の重鎮4人が出席しました。
このなかで山崎氏は、安全保障関連法案について「積極的平和主義の名の下に、自衛隊が地球の裏側まで行って後方支援活動を行い、武力行使を行い、戦闘行為をやるということは、明らかに憲法違反になる行動をじゃっ起するものだ」と批判しました。
藤井氏は、「中国を仮想敵国にして敵対的行動をするようなことはよいことではない。殴られれば必ず殴り返すというのが世界の常識だ。日本は本当に間違った道を歩む」と指摘しました。
武村氏は、「安倍総理大臣は、70年続いた日本の平和主義をがらりと変えようとしている。専守防衛を貫いてきたから世界の信頼を得てきたのに、それが崩されようとしている」と主張しました。
亀井氏は、「日本は戦後、国際的に、いわゆる『普通の国』ではない国でいることを国是としてきた。それを一内閣、一国会で変えてしまう、むちゃなことがまかり通ろうとしている」と訴え、安全保障関連法案に反対する考えを表明しました。》(NHK)


山崎拓氏は、元防衛庁長官でもあり、安保政策に深くかかわってきたが、最近立て続けにテレビにも出て、積極的に発言している。
とくにイラク自衛隊を出したことについては、先週のTBS『報道特集』で、アメリカの言う大量破壊兵器は「いくら探してもなかった」、イラクに行った我が国の方針は、結果的に間違いだった」とはっきり発言している。
口を拭って沈黙する政治家ばかりのなかで、よく言った!

朝日新聞』のインタビューでは、山崎氏はもう少し詳しく、当時の事情を明かしている。
自民党幹事長をしていた2003年2月、米国のパウエル国務長官が来日し、公明党冬柴鉄三保守新党二階俊博(現自民党総務会長)両幹事長と共に米大使公邸で説得を受けました。パウエル氏は「イラクには大量破壊兵器がある。フセイン大統領に使われると甚大な被害が発生する恐れがある」と説明し、「日本も同調するよう小泉純一郎首相を説得してくれ」と要請されました。
 私たちはその主張をうのみにし、小泉首相に「ゴーサインを出すべきだ」と進言したのです。小泉首相ブッシュ大統領に「イラク戦争を支持する」と伝えました。
 結果論から言えば、大量破壊兵器があると信じたのは間違いでした。米国追随主義の典型です。米国の圧力というよりも、日本の政治家にたたき込まれた「日米同盟堅持」という外交理念によるものが大きい。同盟堅持のため、米国の要求にはできるだけ応えようという「対米コンプレックス」の表れだったかも知れません。

さらに、この戦争が「イスラム国」というモンスターを生んだ、と正しく指摘している。
イラク戦争という力の裁きの結果、「イスラム国(IS)」という鬼子が生まれたとも言えます。私はいま、当時の判断に対する歴史の審判を受けているようにも思える。ISの製造者責任は米国であり、間接責任は小泉首相にも、私にもあると言えるからです。
 自衛隊イラク派遣で死者を出さなかったことは本当に良かったが、日本が軍事力を外に向ける方向に一歩踏み出したことは間違いない。今の安保法制の議論は、イラク派遣の活動の中身を総括せずに、自衛隊をもっと活躍させようという議論の方向に向いています。
 安倍政権の姿勢には、強い危機感を感じます。専守防衛から他国防衛容認に転換し、国際貢献に軍事力を投入することは、今までの安保政策を百八十度変えるものです。地球の裏側まで自衛隊を派遣できる恐ろしい広がりを持っている。そうした防衛政策に転換するなら、憲法9条の改正について、国民投票で国民の支持を得てからやるべきものです。》

こういう骨のある政治家が、もっと現れてほしい。