集団的自衛権で詭弁を弄する安倍首相

takase222015-05-21

JRお茶の水駅のホームの向かい側に湯島聖堂がある。
江戸時代の昌平坂学問所で、明治維新のあと文部省になった史跡で、ここの孔子銅像は世界最大だという。
この森の緑がとても濃くなっている。
季節が夏へと移っていく。

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きょう、「イスラム国」による日本人人質事件の政府対応を検証する政府の「邦人殺害テロ事件対応検証委員会」(委員長・杉田和博官房副長官)が21日、報告書をまとめ公表した。湯川遥菜さんの行方不明を政府が把握した昨年8月以降の対応について「救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない」と結論付けたという。
これについては、次回書くが、予想したとおり、いいかげんなものが出たようだ。
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きのうの党首討論は酷かった。
安倍首相が民主・岡田代表や共産・志位委員長らの質問に正面から答えないのだ。
集団的自衛権の行使で、自衛隊のリスクは高まるか、自衛隊の活動は相手国の領域に及ぶか、米国の戦争に巻き込まれる可能性は、などの岡田氏の質問への答えは実に不誠実だった。
例えば、「安全が確保されている場所で後方支援を行う」
イラク自衛隊を派遣したさい、戦闘地域には自衛隊は行かないと言った小泉首相に対して、ではどこが非戦闘地域なのかと問われ、「自衛隊がいるところが非戦闘地域」と答えて顰蹙をかったのを思い出した。
安倍首相は、後方支援を「非戦闘地域」から「戦場以外」に拡大するというが、それはリスクの増大につながらないわけがない。
ところが、首相は「後方支援の自衛隊は重武装していない。安全が確保された地域で活動するのが当然で、危険が迫れば作業を中止し退避する」、「リスクとは関わりがない」とも述べた。誰が考えてもありえない想定。
また、「他国の領土に自衛隊を上陸させて武力行使をさせることはない」と言った。
だったら、「日本周辺」や「極東」に限られている自衛隊の活動範囲をわざわざとっぱらって世界中どこでも行けるように変える意味がないではないか。そもそもの安保法制の変更がなぜ必要なのか、分からなくなる。
詭弁そのもの。

安全保障関連法を夏までに成立させるというが、この転換があたかも微小のものであるかのように取りつくろっている。