オセロゲームの生活

takase222014-10-02

毎朝、通勤の途中、路地を右に折れると、強い香りが漂う。
アベリアの花だ。生垣や植込みなどによく見られる。
この花、もう3カ月くらい、香りを楽しませてくれている。

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ちょっとした気持ちの持ちようで爽やかに暮らせる、そんな技法に「オセロゲームの生活」というのがある。
オセロ・ゲームは両端を白で挟めば、その間の黒は全部白に変る。これを生活に応用するというのだ。
朝、多少寝不足でも大きく伸びをして「ああ、よく眠った、爽快だ!」と口に出して言う。洗面所の鏡に向かい笑顔を確認し、家族に「おはよう!」と大きな声で挨拶。軽くストレッチして食卓につけば美味しい朝ご飯が待っている。「おいしいね」と楽しく食べたら「ごちそうさま!」と感謝しつつ席を立ち、家族に見守られて元気に出勤。
これで朝は「白」で始まった。
夜は、お茶を飲んで家族と雑談。風呂に入って疲れを癒し、一日を振り返って、特に感謝したい事柄と人を思い描く。「今日も充実した一日だった、ありがたい」と言って眠りにつく。こうして一日を「白」で締めくくることができた。
日中、仕事や人間関係で、不愉快な出来事や気持ちがくじかれるような「黒」がいくつかあったとしても、一日の始まりと終わりを「白」にするなら、一日全体が「白」になる。
逆に、朝、悪態をついてはじまり、夜、あーあ、明日も仕事か、いやだな、と呪いながら床に就けば、日中、どんなに楽しいことがあっても全体として「黒」の一日になってしまう。

なるほどね、と思いながらこれを学んだのは10年前のこと。
『勇気づけの心理学』(金子書房)という本で(P110)、著者は、日本でアドラー心理学のカウンセリングを指導する岩井俊憲さんだ。
ここに書いてあるように理想的にはいかないが(二日酔いで吐き気がしたり、おはよう!と言っても娘が挨拶を返さなかったり)、なるべくオセロを意識して暮らすと、たしかに効果がある。
私の場合、朝か夜に坐禅を組む習慣があり、その時間帯は完璧に「白」にできるので、やりやすい。
そのおかげか、かなりのトラブルに見舞われても、眠れないということがなくなった。

一日単位だけではなく、1週間、1ヵ月、1年単位でもオセロの影響があるという。
年の初めに初詣に行き、年末に大掃除をするのは、一年を「白」にする日本人の知恵かもしれないと岩井さん。

さらに、人生全体を「白」のオセロで満たしきるには、どんな心構えで生きるのがよいのか。そのキーワードは「勇気づけ」だと岩井さんは(というよりアドラー心理学は)言っている。
「勇気づけ」については、おいおい書こう。
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きのうの国慶節に、香港が燃えている。緊張も高まっている。
今夜が一つのヤマだという。

《香港の次期行政長官選挙の制度改革に抗議する大規模なデモは開始から5日目の2日も続いた。香港は1日に続き祝日で、繁華街など占拠地区は夜を中心に多くの抗議者であふれた。民主派の学生らは2日未明、香港トップの梁振英(りょう・しんえい)行政長官の辞任を求め、金鐘(アドミラリティ)地区にある行政長官弁公室(官邸)前にも押し寄せ、座り込みを始めた。
 学生団体は、梁長官の辞任と制度改革の決定撤回を要求し、同日夜までに辞任しなければ、政府機関を包囲すると警告している。政府側は長官辞任はないと突っぱねた。警察当局は強制排除も辞さない構えで、学生側が設けた期限が迫る中、緊張が高まっている。》(毎日新聞

北京当局は「不法行為だ」の一点張りで、苛立ちを強めているという。
今夜中の辞任には応じず、デモがさらに勢いを増したらどうなるのか。
当然、懸念されるのは、第二の天安門だが、決してそうはならないと見る識者も多い。
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2014/10/post-680.php

しかし、まさか、と思うことをやりかねないのが中国共産党
日本政府は次の展開を想定して準備しているのか、それが心配だ