自由、安心に暮らしたい2

takase222010-07-15

このごろ、ツユクサをよく見る。小さいが鮮やかな青である。

かつては、賃貸のアパートやマンションは、高齢者を店子にするのを嫌がり、入居が難しかった。
そこに「高円賃」(高齢者円滑入居賃貸住宅)という登録物件ができ、高齢者も賃貸で入れるようになった。05年の暮れ、その「高円賃」の中で、高齢者だけを入居させる物件を「高専賃」(高齢者専用賃貸住宅)として登録する制度ができた。
高専賃」の中には、食堂があり、希望者には部屋まで配膳したり、掃除などのサービスを提供したりするものもある。また、同じ建物に介護事業所があって、そこから介護保険サービスを受けられる物件もある。
元気な人を対象にする「自立型」、介護の必要な人を入居させる「介護型」などと呼ばれるいろいろなタイプがあり、要介護度5まで入居できる「高専賃」もある。
入居一時金がつきものの老人ホームと違い、多くは普通の賃貸マンション同様、礼金・敷金で入れる。礼金も敷金もないところ(例:Cアミーユ)もある。気に入らなかったら出るのも簡単だ。
介護があるタイプが出てくると、当然、有料老人ホームと競合することになる。有料老人ホームが、入居一時金をいまどんどんダンピングしているのは、高専賃の登場も大きい。
有料老人ホーム「アミーユ」を展開する?メッセージは、業界の最大手で156の老人ホームを有する。ここは、高専賃の売り上げを今の1割から将来は5割にまでもっていこうとしている。高専賃が主流になりそうな気配である。
高専賃」が登場してまだ5年ほどしか経っていないが、きょう現在1247件超が登録されている。
問題は、「高専賃」があくまで賃貸住宅であって規制がほとんどなく、原則、25?以上で部屋に台所、洗面所、風呂などを備えていれば登録できる。だから、バリアフリーでもなければ高齢者への配慮がほとんどない「すっぴん高専賃」もたくさんある。一つ一つがあまりに違いすぎ、「高専賃」というくくりに意味があるのか疑問になるほどだ。
最近評価できるのは、国が、高齢者用のケアつき賃貸住宅の建設を促進するようになっていること。以前は、施設は厚労省、住宅は国交省と縦割りだったのが、両省が連携してきた。高齢者の住宅問題を、福祉の観点から考えるというまっとうな方向に向かっている。
今後の高齢者の住まいの問題は、「施設」では解決できず、賃貸住宅が有力な選択肢になることは間違いない。
ただ、いまのサービスつき「高専賃」は値段が高い。家賃に共益費や生活サービス費(見守りや緊急通報など)が加わると、私などはとても払えない。主には中流のちょっと上の所得層がターゲットになっている。
また、地域にばらつきがある。全国に1200超あるのに、東京には27しかない。これは土地が高いことが大きな原因だ。サービスをつけていくとそれだけコストもかかってきて、とんでもない値段設定になってしまうのだ。
なお、探している人に情報。
高齢者住宅財団のホームページには、全部の登録物件の情報が載っていて便利です。
http://www.senpis-koujuuzai.jp/special/index.aspx
また、老後の住まい全般について、この財団から「高齢者の住まいガイドブック〜これから誰とどこで住みますか〜」というパンフレットが出ていて、ためになります。
http://www.koujuuzai.or.jp/pdf/07_01_03_01_20090306.pdf