介護保険の剰余金は5千億円

takase222009-03-16

近所の家のミモザが満開だ。
駅に行く途中、ちょっと遠回りしてこれを見る。それから、陸橋の上から遠く富士山を眺めるのが最近の楽しみだ。富士はまだ真っ白で、すっくと立つ姿は荘厳である。やはり特別な山だなあとつくづく思う。
きのうのサンプロの特集は「介護と仕事は両立できるか」。いわゆる「介護離職」を扱った。
今、家族の介護のために仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれる人が急増して、その数は06年に全国で14万人を超えたという。
番組はじめに出てきたのが、両親とも病気で40代の独身の息子が介護するケース。仕事を辞めて収入がないので、父親の病気によい薬があると知っても高くて使えない。貯金を取り崩す生活もあと半年で破綻する。
取材は4人のケースを追いかけたが、いずれも身につまされる。大変なスピードで高齢化が進むうえ、子どもの数は少なく、結婚しない人が増えているから事態は深刻だ。他人事ではないと思って観た人も多かったろう。
スタジオではジン・ネットの望月ディレクターが、介護の負担を社会全体で支えるという介護保険制度の趣旨が守られていないことを訴えた。特養(特別擁護老人ホーム)比較的安く入ることができるに入居している人が40万人に対して、入居待機が38万人もいる。一方で、介護保険制度の「剰余金」が06年で4748億円(財政安定化基金積立総額2609億+介護給付費準備金保有額2140億)にも達している。あらためて愕然とさせられる。
実は、この「剰余金」も、統計として公表されておらず、うちの取材班がいろんなところから集計してきた数字だという。国民が利用しにくいようにしていることが背景にある。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080603
今朝の朝日新聞一面トップは4月からの介護保険料改正の話だ。全国の自治体のうち、半数で引き上げられ、3割で引き下げられるという。介護保険のお金がどうなっているか、国民にはよく見えない。
こんどの選挙では、医療、介護、年金などの建て直しにきちんとした構想を持った政党を選ばなくては。