自由、安心に暮らしたい1

きのう、テレビ東京ガイアの夜明け』で「自由、安心に暮らしたい〜“シニアの住まい”広がる選択肢〜」が放送された。
この制作に忙殺され、ブログを更新できなかった。オフィスで泊る夜も多かったし、スタジオで完全徹夜もあった。げっそりやせたのが自分でも分かる。体力を取り戻さないと・・
この番組は、「高専賃」(高齢者専用賃貸住宅)という新しい老後の住まいを取り上げた。
ちょっと身体が不自由になりかけた高齢者の住居さがしは意外に難しい。
自宅以外だと「施設」となる。しかし、安い「特養」(特別養護老人ホーム)は入居希望者が何年も順番待ちで、介護度や条件の厳しい人が優先されるからまず入れない。一方、有料老人ホームはというと、入居時に何千万円も払わなければならないものもあって手が届かない。
ここに高齢者専用の賃貸住宅が登場して、急速に増えているのだ。
中には高齢者への配慮やサービスを充実させた物件も登場してきた。
施設ではなく、あくまで賃貸住宅なので、消灯時間など生活が管理されることはない。自分でカギを管理し外出も外泊も自由。番組で紹介した「Cアミーユ多摩川」の93歳の男性の入居者は、大好きなピアノを部屋に持ち込んで毎日弾いている。
「自由」はいいとして「安心」はどうか。
高専賃」の中には、高齢者向けのサービスや配慮を備えたものもある。
まず、万が一何かあった場合の「見守り」。部屋やトイレ、浴室に24時間緊急通報ボタンがあって、押すと誰かが駆けつける。
それ以上の「見守り」になると、「施設」との違いが出てくる。「施設」では、部屋にカギがかからないか、部屋の中を外側からのぞくドアスコープなどがあり、異状があればすぐにスタッフが部屋の中に入っていく。プライバシーがない代わりに「安心」を保障しているわけだ。
高専賃」では、「見守り」はプライバシーを侵さないように行われる。
首都圏で七つの「高専賃」を展開する「学研ココファン」はすぐれた見守りシステムを用意していた。
まず、部屋にリズムセンサーがある。一定時間、人が動いた形跡がないと事務所から電話を入れる。そこで「きょうは気分がよくないから寝ている」という状況が分かったりする。次に、毎日スタッフが各部屋を回って、「きょうは燃えないゴミの日ですが・・」とゴミ出しの声かけをする。さらに近くの新聞販売所と、新聞入れに前日の新聞が残っていたら事務所に通報する契約を結んでいる。プライバシーを配慮しながら「それとなく」見守るわけである。
今どっと高齢者の仲間入りをしている団塊の世代は、「施設」よりも、自己責任で住まう、こちらの方を選ぶのではないか。
放送中は私を入れて4人で電話番をしていたのだが、番組半ばから視聴者の問い合わせが相次ぎ、電話は4台ともずっとふさがっていた。「ガイアの夜明」では異例のことだという。
中には、私はどういう住まいを選んだらよいのかと切羽詰った声で相談してくるお年よりもいて、高齢者の住まいの問題の切実さを実感させられた。
(つづく)