最近あった、日本人であることが恥ずかしくなる出来事二つ。
トランプ大統領に愛想笑いをしながら寄り添い、米空母の上で大はしゃぎするわが国の首相。

トランプ氏が彼女の肩を抱いたり、手を両手で包み込んだりするのは、目下の女性へのセクハラだが、何をされてもシナを作って微笑む姿に、独立した一国の首相の矜持はどこにもない。
国会で審議もしていないのに、相手の要請を先取りして軍事費増額の「決意」を伝え、兵器を爆買いする商談でご機嫌をとるのが「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」なのですか?
ある識者が「朝貢」と表現したが、まるで植民地!と見まがう光景に衝撃とともに羞恥心が襲ってくる。
「植民地のリーダーは宗主国の意思を、宗主国以上に実現することで己の地位と権力を得ようとする」(田中優子氏)
違和感を感じた人はやはりいたようで、朝日川柳にはこんな句が並んだ。
コーンパイプ心に咥(くわ)え降りてくる (埼玉県 阿部 功)
軍艦で総理がはしゃぐ不戦国 (神奈川県 みわみつる)
下駄の雪みたいに見える日本国 (兵庫県 秋山博志)
最初の句は、敗戦後、マッカーサー元帥が日本にコーンパイプをくわえて、いかにも「占領者」然として降り立ったことにかけたもの(若い人向けに解説)。
最後に次の句は私も同感。
世論調査わたしは置いていかれそう (神奈川県 大坪智)
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恥ずかしいこともう一つ。
今年になって一気に「移民反対」と外国人排斥ムードが広がり、政府、地方自治体、各政党で「対策」を取る動きが始まっている。
私の知っているあるクルド人が難民申請をしていたが、このほど自主的にトルコに帰国した。以下に引用するのは友人のジャーナリスト、樫田秀樹さんのFB投稿から。樫田さんは彼を空港で見送った。
「先日、日本のある国際空港から一人のトルコ国籍のクルド人が出国をした。
今年5月、出入国管理局が「不法滞在者ゼロプラン」を打ち出して以来、実際に、仮放免者がその更新手続きのために東京入管などを訪れたら、即強制帰還との手続きが取られるようになった。
特に、数年前に決まった「難民申請は2回まで。3回目以降の申請では帰国させる」との方針に引っかかっている人は、容赦なく強制帰国させられている。
このたびのAさんは日本には15年以上も住んでいるが、難民認定申請は認められず仮放免者として生きてきた。だが、仲間が次々と帰国させられている現状に、次は自分かとの怖れを抱く。
入管の方針としては、非正規滞在者が母国に帰国しても、5年間は日本に再入国できないとのルールを設定している。これはつまり、5年経てば、再入国できるということだが、5年も母国に帰ってしまえば、生活の土台は向こうにできるからなかなか日本には戻らない人もいるし、日本にこそ大切な人々がいれば、5年後でも再入国はする。ケースバイケースだ。
だが、ここで本人が入管に自ら出頭して「自費で帰ります」と申告すれば、再入国は「1年後」に許可されることもある。
1年と5年。Aさんには大切な人が日本にいる。5年なら待てないが、1年なら互いに待てる。
それに、もう次の仮放免の更新日が迫っていた。もしかしたら、この更新日での手続きで強制送還されるかもしれない。そう思うと、悩んだ末、Aさんは入管に出頭して帰国の決意を伝えた。そして入管の審査の末、Aさんは1年後の再入国を認められる。
そしてすぐに出国のための航空券を手配。その日は、まさに仮放免更新日の前日だった。Aさんの大切な人は、この1年の間に、何度かトルコを訪ねる予定だ。
Aさんが帰国する日。空港には、大切な人、そして、クルド人の仲間たちが見送りに来ていた。その一人は正規ビザでの解体業を営む男性Bさんだが、Bさんの元では何人ものクルド人が働いている。そこには非正規滞在の人もいる。その彼らが今年5月以降だけで5人もトルコに強制送還された。
Bさんは訴える。「解体の仕事、いったい、日本の若者がやってくれるの? 私たちは日本社会の役に立っている。私だってちゃんと税金も納めている。移民に賛成、反対の意見はあっていいけど、外国人労働者は絶対に必要です。その議論もなく、ただ機械的に強制送還させるのはおかしい」
私は2018年から入管関連の取材をしているが、入管の主張するように、確かに、なかには「こりゃあ、難民じゃないわ」と思ってしまう非正規滞在者はいる。だが、それがすべてではない。非正規滞在者には、在留資格があったけど理由もなく付与されなくなった人もいるし、明らかに迫害から逃れてきたのに難民として認められない人もいる。
政府や一部政党が反対する「移民」って誰? 日本で働く外国人は、専門職、技能実習生、特定技能外国人、留学生、非正規滞在者(自身の意図に反してそうなってしまったケースと、あえてそうなったケースがある)など様々な条件下で働いているが、それを一緒くたにして「移民反対」では議論の始まりようがない。」
彼を見送った「大切な人」に、私は、日本人であることが恥ずかしい、微力でも現状が改善されるよう努力するつもりだとメッセージを送った。
恥かしくない日本を作っていきたい。