カブールの宿の朝食にて

 世界平和統一家庭連合(統一協会)への宗教法人法に基づく質問権行使、そして被害者救済法成立と事態が進んでいるように見えるが、「統一協会の問題が不思議な方向に行ってる」と指摘するのは寺島実郎氏だ。

 「反社会性」が問題にされて、「宗教法人として存続させるか」という文科省の話に行っちゃってるんだが、本質的な問題は、この団体が持っている「反日性」だ。

 例えば1992年に文鮮明最後の訪日というのが行われた。海外で収監されてた人は入国できないはずなのに超法規的な入国をやっている。要するに日本の政治の上層部が動いてるんです。この団体に日本の弱者から年間数百億円(を出させて)、お金を海外に送るということをやって、国益、国民の財産が損なわれているんですよ。 

 こういう問題について、内閣府なり外務省なりがしっかり調べて国民に説明しなければならないというのがこの問題の本質だと思う。例えば愛国だとかナショナリズムを語っていた人たちが反日的な団体と連携しているのかと国民はため息つく思いで見ている。(11月のサンデーモーニング

 歯がゆいかぎりだ。
・・・・・・・・・

11月16日(水)

 アフガニスタン3日目。日本との時間差は4時間半。 

 暗い早朝、大音響のアザーンで目が覚める。毎朝停電でエアコンが切れているので寒い。

 ナンと紅茶のシンプルな朝食。ここで同じ宿に泊まってる客から聞く世間話が実におもしろい。これは後半に書こう。

 カブール市内を車で回ると、王様でも住んでいたのかと見まがうゴージャスな白亜の殿堂が目に飛び込んでくる。これが結婚式場だというから驚く。

ど派手な「宮殿」が街のあちこちに

 結婚式は参加する女性にとって最大の娯楽だそうで、派手なおしゃれをして、普段のうっぷんを晴らすように大騒ぎになるそうだ。
 「男性の目を気にせず、思い思いの衣装に身を包み大音響の音楽に合わせて踊り明かす」(共同通信記者、安井浩美さんによる) 

 タリバン政権になってから、結婚式でも音楽は禁止になったが、女性のホールだけはお目こぼしで許されると聞く。
 男性はもちろん入れないが、一度見てみたいものだ。

 このド派手な「結婚宮殿」、私がきょう一日で見かけただけで8カ所を数えた。 
 前政権の20年は、引き続く内戦と共に、消費文化の大波がこの国を覆ったのだなあと感慨深く眺める。

丘の上まで家が建ちならんでいる。水はタンクトラックが売りに来るそうだ。

白いスカーフをかぶった少女たちがかわいい。

・・・・・・・・

 さて、朝食をともにした人々の話。

ゲストハウスの食堂。朝は停電なので窓を開けて食事。正面中央がこの国に20年いるイラン人。

 

 一昨日は国連のワークショップに参加しに地方からやってきた3人がいた。
 政変で幹部を中心にかなりの国連スタッフが逃げたので、いま新人を研修して補充しているようだ。
 その一人は「自分一人なら我慢できても、子どもたちのことを考えたら、外国に逃げたくなる気持ちもわかる」と言っていた。彼には海外に移住できない事情があるのだろう。

 国連の3人がチェックアウトし、彼らがいた小さい少し安い部屋に移動。安くなったといっても25ドル。日本円に換算すると何でも高く感じる。

 長期滞在客のイラン人がいた。

 もう20年もイランの通信会社の仕事をしているそうだ。アフガニスタン公用語はパシャトー語とペルシャ語ダリ語)だから言葉には不自由しない。
 イランの企業はこの国に根を張っていて、政権が変わっても西側の企業のように逃げ出したりしないようだ。

 西部のヘラートからきた薬局経営者

 父親が80歳になって代替わりするため店の名義を息子の自分に変更しに首都まで出てきた。簡単な手続きに3時間も待たされたという。

 今のアフガニスタンには、「ルールがないというルール」があるんだよ、といって笑う。
 彼が言うには、前政権の公務員の多くが辞めさせられて、タリバンが連れてきた人が取って代わったが、やり方を知らないのでてきぱき進まない。時間にルーズでだらだら会議をやってる。以前と比べて効率は3割くらいに落ちたのでは、とのこと。

 私も、取材許可の件で行った外務省の職員たちが、おしゃべりして笑い合ったり、ずっとスマホをいじってたり、ティーカップを手に私信らしき手紙を読み耽っていたり、仕事らしい仕事をしていないのを目撃している。

 これに対して、前政権の役所は、書類を持って行くと「今日はできない」と突っ返された。そこで賄賂を渡すとすぐに手続きが済んだ。

 二つの政権を比較したうえで彼はこう結んだ。

「民衆にとってはタリバン政権の方がいいと私は思う」
 あくまである個人の意見である。

 ところで、この人、自転車乗りでヘラートにあるサイクリングチームのメンバー。マウンテンバイクもロードバイクもやる、こないだは14日間のツアーを完走したと誇らしげだった。 

サイクリングチームのインスタグラムを見せてくれた。

 紅茶を飲みながら客同士でダベっていると「ここでほんとにとんでもないことが起きたのか?」とふと思ってしまうのは、私がまだダークサイドを見ていないからか?

ゲストハウス前の通り

昼食。緑の液体はヨーグルト。

昼食を食べていると食堂にカルダモン売りがやってきた


 懸案の取材許可がついに出て、明日からは大っぴらにカメラを回せることになった。おかげさまです