横田夫妻とウンギョンさんの写真公開の真実

 6月23日は沖縄線の戦没者を悼む「慰霊の日」。

 今年は「平和の礎(いしじ)」に刻まれた犠牲者すべての名前を読み上げる取り組みが行われた。礎に刻まれた戦没者は、今年追加された55人を含め24万1686人で読み上げが終わったのは23日午前。1500人が参加して250時間かかったという。

 あらかじめ戦没者名簿と配信時間を各参加者に割り当て、12日から毎日午前5時~翌午前4時半、それぞれが自宅やカフェ、学校などからオンラインで、一人当たり10~500人を順番に読み上げた。参加者は保育園児から80代以上の践祚体験者におよび、米国、アイルランド、コロンビアなど海外から参加した人もいたという。
 22日からは平和の礎がある県平和祈念公園で夜通し読み続けられた。

 今年1月末に平和の礎を訪れたときを思い出す。

平和の礎。日本全国だけでなく米国、英国、朝鮮半島、台湾などさまざまな出身地の戦没者の名前が記されている。今年1月高世撮影

個人名が分からない犠牲者もいる

 誰それの妻、長男などと記された人々がいる。

 犠牲者の個人名を特定できないということは、その家族の成員の名前を知っている人たちがみな死亡したか行方不明になったこと意味する。いかにすさまじい惨状であったかを思って慄然とする。

23日夕刊の朝日新聞一面。左の写真は、22日平和の礎の前で名前を読み上げる高校生

 

朝鮮半島出身者のコーナー。新たな名前が追加されていく

 

 この読み上げを聞いて、ウクライナで毎日多くの人々が亡くなり負傷していることを思い浮かべた人も多いだろう。

 犠牲者が「何人」と数字で報じられるが、えてしてそこには一人ひとりの生があったことに思い至らないだけに、全ての犠牲者の名前を読み上げる試みはとても意味があると思う。
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 有田芳生北朝鮮 拉致問題~極秘文書から見える真実』(集英社新書について、「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)の西岡力会長が論評したので、紹介したい。

 ネットニュースの「虎ノ門ニュース」6月7日放送で、西岡氏が百田尚樹、居鳥一平の両氏とともに座談。

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 番組開始から1時間40分ごろ、拉致問題の進展を妨げる国会議員がいる」有田芳生さんを取り上げ、「西岡さんによれば、拉致被害者家族の立場からするととても看過できない活動があるそうです」(居島)との紹介で本が登場する。

虎ノ門ニュース6月7日。西岡氏(左)と百田氏。番組提供はあのDHC

 この本に「見逃せない点があるそうです」(居島)とふられた西岡氏。「まだ中身を見ていないが」と断ったうえで問題点を三つあげた。

1.    非公開の政府調査の聞き取り内容を暴露した(西岡氏「ジャーナリストならスクープしてよいが・・」とも)
2.    聞き取られた5人の拉致被害者の了解をとっていない。
3.    「有田氏が横田家以外から入手してあたかも横田夫妻の依頼で自分が公開したかのようにみせかけた写真」(モンゴルでのウンギョンさん一家との面会時)を使っている。

  西岡氏はとくに3点目の写真の問題を強調した。

(西岡氏)「この写真は実は横田家は公開していないんです。(居鳥氏「えーッ!」) 

 なぜなら横田さんも帰ってきたとき公開したいと思ったけれども、孫が絶対に出さないでくださいと言ったと。だから自分達だけで眺めていたと。私も見てないです。

 ところがちょうど6年前、当時も改選だったんですが、『週刊文春』にこの写真を有田先生が出して、横田家から依頼されて出しますと、安倍政権がちゃんと取り組んでくれないんで世論を喚起するために出しますというト書きがついてたんです。

 だけど横田さんたちは『自分たちは孫との約束があるから、出したいんだけど出さない』と。『有田先生は別のところから入手して、孫が出していいと言ったんですね、それは私たちは関知しません』と言ったんです。ところが横田さんたちに頼まれて出したというのはおかしいんじゃないかということなんですよね。」

(百田氏)「クズやね!」

(西岡氏)「だから2016年当時、横田さんたち手記をだしてるんです。」

 居鳥氏が6月9日の全国協議会ニュースで公開された横田夫妻の「手記」(コメント)全文を読み上げる

横田夫妻の手記(虎ノ門ニュース6月7日より)

(西岡氏)「横田さんたちがその写真を見たら、滋さんが撮った写真ではなくて、北朝鮮側が撮った写真だったんです。アングルが違う。有田先生は横田家からもらわないで、(北朝鮮から)もらった写真だということが明らかになったんです。それをここ(本)にも載せてる。

 つまり北朝鮮側はこの写真を有田先生に渡して、何らかの意図があるわけですね。それを公開してもらう。横田家は満足してると、こんなにニコニコしてると、良かったねと。(百田氏のプロパガンダに使われたんやね」との発言を受けて)という風に思われるんじゃないか。まあ、横田さんたちが写真を出していないのは事実なんです。」

(百田氏)「しかし、北朝鮮からもらった写真を流用したにもかかわらず、これを横田家からもらったと嘘をついたと」

(西岡氏)「まあ、そのように読めるようにね、横田さんに依頼されたというようなことが書いてあって。だから私どもは依頼してませんと。いうことになったわけです」

(百田氏)「これ、完全に北朝鮮のスパイですね」

(西岡氏)「横田さんご両親にも肖像権というものがあるわけですし。それはよしとしても、この写真を(有田氏が)持ってることは横田さんたちと近いとされる恐れがあるので、この写真を見る方は先ほどの横田さんたちの声明、お手紙も一緒に見て、有田先生の行動を評価してほしいと私は思います。」

そのあと、百田氏が獅子身中の虫やね」とコメント。

 百田氏のいくつかの短い「合いの手」が、この座談の結論を端的に言い表している。

 百田氏の「完全に北朝鮮のスパイ」のコメントなど、明らかに名誉棄損で訴えうるレベルの悪罵だが、その前提の西岡氏のコメント自体が事実を完全に誤認したものだった。
(つづく)