一昨日、ブログ読者からの連絡で、このブログにアクセスしようとすると、”404 Blog is not found”が表示されて見られなくなっていることが分かった。いま「はてなブログ」と連絡をとりあっている。
いつ復活するか分からないが、こちらはいつも通り、書いていこう。
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早乙女勝元さんが亡くなった。90歳だった。
「1945年の東京大空襲を経験し、戦争の悲惨さを訴え続けた作家」と紹介されるように、早乙女さんの名前は東京大空襲に結びついている。「東京大空襲尾記録する会」の発起人であり、「東京大空襲・戦災資料センター」の初代館長となり、また太平洋戦争の空襲被害者による全国組織「全国空襲被害者連絡協議会」の共同代表をつとめた。
早乙女さんには私もご縁があり、30年前にバンコクにいらしたとき、自宅に食事にお招きし、ネオン街のクラブにお連れした覚えがある。当時は文春記者だった勝谷誠彦さん(故人)が同行していたから、それで私がバンコクのご案内をすることになったのだと思う。
おもしろいエピソードがある。
早乙女さんは山田洋二監督とも親しく、映画「男はつらいよ」の舞台を柴又になったのは、山田さんが早乙女さんに案内されたことがきっかけだったそうだ。
大きなものを後世に遺して逝かれた。ご冥福をお祈りします。
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ウクライナのジャーナリストに「ピュリツァー賞」特別賞が授与されるという。
報道によれば9日に《ウクライナのジャーナリストたちが特別賞に選ばれた。選考委員会は「ウラジーミル・プーチンによる冷酷な自国への侵攻、彼のロシアにおけるプロパガンダ戦争の間の勇気や忍耐力、真実の報道への尽力に対して」と説明している。
選考委はまた、特別賞授与の理由として「爆撃や拉致、占領、時には仲間の死にもかかわらず、ウクライナのジャーナリストたちはおそろしい現実を正確に伝える努力にこだわっている」とも語った。
国連によると、2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を始めてから、ウクライナ国内で7人のジャーナリストの死亡が確認されている。表現の自由に関する国連の特別報告者らは今月4日、現地でジャーナリストが拷問や誘拐、攻撃の対象になっているとの報告が多数あると指摘した。ウクライナでは7人のジャーナリストが殉職したという。》(朝日新聞)
ここでは7人が死亡とされているが、十数人死亡との情報もある。
ウクライナ人ジャーナリストは、外国人ジャーナリストより危険な場所で取材することが多く、また、ロシア兵につかまれば「敵性分子」と見なされ、殺害されなくともひどい扱いをされる。取材を続ける彼らの勇気を尊敬する。
ウクライナで過去殉職したジャーナリストの中には、ロシアが裏で糸を引いていると疑われる事件で殺された人もいる。
2016年7月には、著名なロシア人ジャーナリストが、車に仕掛けられた爆弾で爆殺されるという怖い事件が起きている。
(爆殺現場)
《ウクライナの首都キエフ(Kiev)で20日、自動車爆弾が爆発し、ベラルーシ出身のロシア人記者パーベル・シェレメト(Pavel Sheremet)氏(44)が死亡した。
シェレメト氏は、キエフ中心部を車で出勤中、運転していた車に仕掛けられていた爆弾が爆発して死亡した。内務省は、事件はウクライナの不安定化を狙ったものだと非難している。
親欧米派の著名記者だった同氏はここ4年間、ニュースサイト「ウクラインスカ・プラウダ(ウクライナの真実)」に記事を提供していた。同サイトの創設者ゲオルギー・ゴンガゼ(Georgy Gongadze)氏は16年前、親ロシア派だったレオニード・クチマ大統領(当時)の金融犯罪などについて調査した後、頭部を切断され殺害されていた。》(AFP)
ウクライナには、プーチン政権を批判して逃れてきた政治家もいるが、2017年3月23日には、ある議員が首都キーウのど真ん中で銃殺されている。
(銃殺されたポロネンコフ氏の遺体と警官)
《殺害されたのは、前ロシア議員のデニス・ボロネンコフ氏。2014年3月に起きたロシアのクリミア併合を批判し、2016年にウクライナに逃亡した人物だ。
親ロ派のヤヌコビッチ前ウクライナ大統領への反逆事件で、ウクライナ当局の手助けもした。
ボロネンコフ氏は、キエフの高級ホテルに向かっている途中に、銃で撃たれた。容疑者は、旧ソ連時代にデザインされたトカレフ銃で発砲。ボロネンコフ氏のボディーガードが銃で応戦した。
ニューヨークタイムズが報じた地元警察の話によると、容疑者とボロネンコフ氏のボディーガードは、数メートルの距離から少なくとも計20発を撃ち合い、側道には血痕や薬きょうが飛び散った。
地元検察の話では、ボロネンコフ氏は4回撃たれ、その場で死亡した。ボディーガードは胸を撃たれたが、生存している。一方容疑者は、頭に被弾した後に捕らえられ、搬送先の病院で死亡した。
ボロネンコフ氏は、ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領に対する裁判で都合の悪い法廷証言をするのを防ぐ目的で、殺害された可能性がある。
もしくは、諜報機関であるロシア連邦保安局のマネーロンダリング(資金洗浄)計画について、詳細を知りすぎたことが原因であるとも指摘されている。
地元検察は「これは見せしめの殺人で、ロシアではよくあることだ」と話した。
ボロネンコフ氏の殺害について、ウクライナのポロシェンコ大統領が「ロシアによる国家のテロ行為だ」と批判したと、ハフィントンポストUS版が報じた》(ハフィントンポスト)
世界の国々を見回しても、ここまで露骨に体制の敵対者を暗殺しつづけるのはプーチンのロシアだけだ。外国まで暗殺者を派遣して。
これを見ても、「どっちもどっち」(ロシアも、ウクライナも悪い)は通用しない。