大谷翔平選手、すごいな。
きのうのTBS「サンデーモーニング」の特集「風をよむ」は大谷選手だった。
大谷選手が高校生時代に書いた「目標達成シート」が紹介された。
9項目づつのマスが9つあり、真ん中のマスの中心には「ドラ1 8球団」とある。ドラフトで8つの球団から1位指名を受けるという大目標だそうだ。これを達成するための8つの要素がコントロール、メンタル、人間性、運、スピードなどとあり、それらのそれぞれのマスが周りを取り囲む。
MCの関口宏が「曼荼羅みたい」と評したが、大きな夢を達成するための方法を高校生時代に論理的に考えているのに感心した。
先月、大谷選手は、四球で一塁に向かう途中、落ちていたゴミを拾ってポケットに入れたことがあるが、「ゴミ拾い」という項目がシートの下段のマスにある。つまり、高校時代に掲げた目標達成への努力を今も続けているというのだ。うーむ、感心させられる。
こういう努力があるからこそ、人間性も立派だと評価され、子どもからお年寄りまでに愛されるスーパーヒーローになっているのだろう。すばらしい!
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きょうは「めぐろパーシモンホール」へ出かけた。
東京はきょうから緊急事態宣言なので、どうなるかと心配していたが、坂口恭平ライブが決行と決まったのだ。
私が坂口恭平に関心を持ったのは、とても単純で、尊敬する思想家、渡辺京二さんが高く評価していたから。まるで子どもだなw
坂口恭平とは、「建築家、作家、アーティスト。熊本県出身」とウィキペディアにある。渡辺京二さんとは熊本つながりで、2人とも地方にこだわり中央(東京)には出てこない。
ケニアで手作りの自転車に段ボールで作った家を積み重ね、公道を走ったり(2007年)、カナダで「0円ハウス」を展示したり、3.11のあと1人で「政府」を立ち上げたりと奇行とも見えることをやり続けている。
また、自殺者をゼロにする目標をかかげ、「いのっちの電話」で24時間、相談電話を受け付けている。
会場の小ホール(定員200)に入ると、ロビーで坂口さん(と呼ぶことにする)本人がでかい声で呼び込みをやりながら入場者に挨拶をしていた。ファンにサインしたり握手したりしながら冗談で笑わせている。飾らない人だなと好感をもった。
会場で物販をやっていて、彼の新刊『躁鬱大学』が並んでいた。躁鬱病の坂口さんの経験から「ラクに愉快に生きる」技術を指南するというもの。赤裸々に日々の行状がつづられている。
躁鬱病の人は心が人一倍柔らかく、「自他の境界がなく、あらゆる世界に対して心を開き、お漏らしして、困った人を助ける」ようにできているという。
ライブでは坂口さんがギターとボーカル、作家でもある寺尾沙穂がピアノ、それにベースとドラムの4人のユニットで16曲演奏した。本に書いてあるように「自他の境界がない」という感じで歌い、踊り、語り、坂口さんの人間をむき出しにした「人格ライブ」を堪能した。
きょうは赤字だけど、楽しい学芸会だった!と彼も満足そうだった。
最近は3年前亡くなった熊本の作家、石牟礼道子さんの詩に曲をつけているとのことで、きょうは「海底の修羅」、新曲「花」などを披露した。
これは石牟礼道子さんが存命中の貴重な映像で、二人で一緒に唄っている。
きょう一日だけではよくわからなかったが、明らかに異能の人であり、ある種の天才なのだろうと感じた。こういう人が時代を変えていくのかもしれない。
『躁鬱大学』より
《例えばですが、僕は「いのっちの電話」という電話サービスをやってます。2011年に新政府を立ち上げたとき(あ、ちなみに国家を建設しようとする行為ももちろん躁状態のときの行動です)から自分の携帯電話番号09081064666をネット上で公開して(もちろん、このプライバシーを公開するという行為も躁状態のときの行動です)、死にたい人からの電話を受けるようになってもう今年で10年になるのですが、これも一見「死にたいと思っている人を助けたいという一心から始めた心優しい人の行動」だと思うじゃないですか。しかし、実際はそうじゃありません。》
彼によれば、「躁鬱病は病気というよりも、一種の体質です」ということで、これを肯定してラクに生きればいいという。(ぜんぜんラクに見えないのだが・・・)
おもしろそうなので、彼の活動はフォローしていこう。