ハンセン病の療養施設「多摩全生園」へサイクリング。
ここには市民との交流を願って500本の桜が植えられたさくら園があるが、花はもうすっかり散っていた。ハンセン病の元患者夫婦を撮影した映画『凱歌』がいま吉祥寺アップリンクで上映中だ。観に行かなくては。
途中、「野火止用水」そばの道を気持ちよく走った。
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東京都の小池百合子知事は、2日の記者会見で、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生を防ぐため、高齢者施設で月1回、病院で週1回を目安に、職員や医師、看護師らを対象とした検査を実施すると発表した。
いまごろ、おそい!
こんなのは1年前に国がやっておくべき対策だった。
行政がPCR検査を増やさないから、民間の検査が増えた。それは変異型のチェックに繋がらない。行政による(そして無料または低額の)検査を抜本的に増やしてこなかったツケが出てきている。
結局、行政が具体的な対策方針を持たずに、名前だけの宣言やら措置を発して、国民に自粛をお願いするだけ。検査、医療、ワクチン、何をとってもあまりに杜撰だ。
それでいて「子ども庁」創設という、また思い付き政策を発表する菅内閣。
大阪では1日の感染者が過去最多の700人超に。
今後のコロナ感染拡大を予想すると寒気がする。
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4日のNHKスペシャル「緊迫ミャンマー 市民たちのデジタル・レジスタンス」は見ていて歯噛みする思いだった。あまりに酷いクーデター権力の横暴にも国際社会は強い制止をかけることができないでいる。
一方で、市民たちのギリギリの抵抗のリポートは、新たな時代の波に目を開かせてくれた。
19歳の女性、チェー・シンさん(マンダレー在住)が治安部隊の銃撃で命を落としたことは先日のブログで紹介したが、彼女の殺害の真相究明が国際的な連携で進めてられているという。
彼女の愛称は「エンジェル」。死亡のニュースは世界に広まり、抵抗のシンボルになっている。軍は彼女の墓を暴いて「検死」。頭部に入っていた銃弾は治安部隊のものではなく、デモ隊側の仕業だと示唆した。
日本を含む海外のミャンマー人たちが、こうした当局側の発表を、現地からのネットによる映像や目撃証言で突き崩す活動を行っている。
また、軍と関係ある企業の製品をボイコットし資金源を断つためのアプリを開発するなどの活動まである。デジタルレジスタンスだ。
軍は露骨な表現で国民を恫喝している。政府のテレビ局MRTVには日本のODAがつぎ込まれている
ミャンマーの若者たちを心から応援したい。
エンジェルことシンさんはデモに参加する前に検体を申し出ていた。死を覚悟していたのだ。
日本に住むミャンマー人女性は、ネット情報から弾圧の資料を今後に遺す活動を行っているが、彼女は自分がミャンマーにいたら死ぬつもりで街頭にでるだろうから弟や妹に活動を控えろとはいえないと言う。
遺言状を書いてデモに出る香港の若者と相通ずるものがある。世界における若者たちの能動性は確実に大きくなっている。
当局はネットを遮断してデジタル・レジスタンスを封じようとするが、様々な方法で網をかいくぐって抵抗はつづく。
ミャンマーでネットを武器に闘うある若者がこう語っていた。
「ミャンマーでは民間のメディアの免許が取り消されました。しかし、国民ひとりひとりがメディアになれば、国民が知らない情報はなくなるでしょう。国民に正しい情報を伝えるため、ここでがんばっているのです」
そもそもメディアとは何か、何のためにあるのかを考えさせる。そして、インターネットとはまさにこういう目的のためにあったのだと気づかされる。
1988年の軍事クーデターのときはメディアがなかったから、世界は何が起きているか分からなかった。でも今は違うと若者たちは声を挙げている。時代の流れを感じる。
一つ、気になる情報があった。
軍が凶暴になるにつれ、合法的な抵抗に限界を感じて武装闘争を目指し、少数民族の武装勢力と連携する動きがあるというのだ。
かつて、ABSDF(全ビルマ学生民主戦線)が武闘路線に走り、悲惨な自滅を遂げた経緯を取材した私には、悪夢のデジャブに見える。
ビルマ族を巻き込んだ全面内戦はシリアへの道である。それだけは食い止めたい。