総務省贈収賄疑惑にフタをする菅内閣

 6日、畑に出て草むしり。
 すごい勢いで雑草が生えてくる。そこに春を感じる。

 ブロッコリーがたくさん採れた。

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 食べる丸っこいところは花のつぼみ「花蕾」(からい)だそうだ。小さい方がやわらかくてうまいので、早めに収穫するが、次々に新しいのが出てくる。植物の生命力はすごい。
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 ミャンマー情勢に、元外交官の田中均(アジア大洋州局長時代、北朝鮮との水面下交渉を重ねて2002年9月の小泉訪朝へとつなげた)がツイッターでこう発言している。

「外交は主体的に動いて初めて結果がつくれる。日本は国際社会と協調しミャンマー軍事政権包囲網を率先してつくり、その上で軍事政権との対話を進めるべき。」

「在ミャンマーの丸山大使は、20年近く前、私が当時軟禁されていたスーチーさんと軍事政権の仲立ちをしようとしたとき、未だ若き外交官として、両者との会談を 実現してくれた。彼ほどミャンマーに根をはり信頼されている外交官はどこの国にもいない。」
https://twitter.com/TanakaDiplomat/status/1368351025111830531

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 丸山市郎大使は2月20日民主化への支援を求めて大使館にやってきた市民に対し、大使館の外に出て直接、流ちょうなビルマ語で語りかけている。この姿をニュースで見て、普通の外交官ではないなと驚いた。

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NHKBS1「国際報道」より

 宮城県出身。中央大卒で1978年に外務省に入省。ノンキャリアと呼ばれる外務省特別専門官として2018年3月に異例の大使抜擢となったという。ビルマ語専門職として初めての大使で、ミャンマー勤務は語学研修時を含めて5回目。ミャンマーとは40年の付き合いでスー・チー氏側と国軍の双方に人脈を築いているという。
https://www.youtube.com/watch?v=U3NtMfzNKuw参照)

 政府はこういうすばらしい人材が十二分に活躍できるようバックアップしてもらいたい。

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 首都圏の緊急事態宣言が2週間延長された。「見極めの期間」だとさ。

《政府は5日、新型コロナウイルス対策として東京・千葉・神奈川・埼玉の首都圏4都県に出している緊急事態宣言について、7日までとされていた期間を2週間延長し、21日までとすることを決めた。菅義偉(よしひで)首相は記者会見し、「2週間は感染拡大を抑え込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間」と述べた。(略)

 また、「諸外国のような厳しい宣言を行わずとも、ひとえにみなさま方の踏ん張りと心を一つにして懸命に取り組んでいただいた結果だ。医療介護などの関係者のご尽力、国民のみなさんのご協力について心より感謝いたします」とも述べた。》

 菅首相は1月に緊急事態宣言を出したときも、会見で、マスクをする、外食を控える、テレワークを推進するなど、すでにみんながやっていることを「お願い」して国民をあぜんとさせたが、今回の延長にあたっても、感染を抑えるために新たにこういう方策でのぞみます、という大きなデザインをまったく打ち出していない。
 PCR検査の拡充は、ある意味これまでの方針の遅まきながらの転換だが、1年前から指摘されていて、すでに各自治体や医療機関などが自主的に行なってきた当たり前のこと。国が検査を絞る中、国民は各自、自費で検査を受けてきたのだ。どうせなら無料の検査を大幅に増やす態勢をとってほしい。

 その検査をどう使って対策に活かすかも不明だ。

 要するに、国民の「みなさま方」がひきつづき気を緩めずに「自助」で感染を減らしてくださいよ、政府はその「状況を慎重に見極め」ますからと言っているわけだ。
 傍観者内閣。 
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 総務省の接待問題。『週刊文春』が連続して菅内閣に見事なパンチを食らわせている。
 
 まず『週刊文春』が、菅義偉首相の長男が勤める「東北新社」による総務省幹部の接待を暴露した。

 これに関しては、秋本芳徳情報流通行政局長が2月17日の予算委で、長男との会食に関し「放送業界全般の話題が出た記憶はない」と、また武田総務相も「事業にかかわる話は一切ない」と答弁。

 すると『週刊文春』がこんどは店内で録音したとされる、長男と秋本氏とが衛星放送について会話している音声を出してきて、先の答弁をひっくり返した。

 さらに「東北新社以外の衛星放送各社、民放やNHK、あるいは通信会社の社長から接待を受けたことはありますか」(3月1日・衆院予算委)と問われた谷脇康彦・総務審議官、「公務員倫理法に違反する接待を受けたということはございません」と、また山田真貴子・内閣広報官は「ルールにのっとって」きたと答弁した。

 ここで『週刊文春』は、谷脇氏や山田氏が通信業界最大手のNTTから高額接待を受けていたとのスクープを放つ。NTTはNTT法に基づき総務省から事業計画などで許認可を受ける。NTTが利害団体でないわけがなく、金額から言っても文句なく違法接待だ。

 次々に政府のウソ答弁がばれてしまい、修正、訂正に追い込まれ、弥縫策が破綻する。『週刊文春』は情報を一度に全部出さず、政府側の答弁にカウンターを食らわせながら暴露を重ねている。見事だ。がんばれ!と応援したくなる。

 この総務省接待問題は、接待した企業に総務省が利益提供を行なっている可能性が出てきて、新たな段階に入っている。

 まず、「東北新社」が高精細の「BS4K」放送の認定を受けた後、同社が放送法外資規制に違反していたにもかかわらず、総務省が認定を取り消していなかったことだ。しかもその決裁をしたのは山田喜美子氏だったのだ。
 
 《放送法は、地上波やBS放送などを行う事業者に外資規制を定めている。外国の個人・法人などが株式の20%以上を持つ事業者は放送を行えない。社会的影響力が大きく、公共性の高い電波の利用は国民の利益が優先されるためだ。認定後でも20%以上となれば、認定を取り消さなければならない。
 BS4Kの申請の受付は2016年9~10月にあり、同社は翌17年1月に認定を受けた。同社の有価証券報告書によると、外資比率は17年3月末時点で21・23%だった。だが、認定は取り消されていない。
 総務省は「違反を当時認識していなかった」と答弁。同社が違反を認識していたかどうかは「確認中」とした。申請時の16年9月末時点の外資比率は19・96%だったという。
 東北新社は認定を受けた地位について、17年10月、100%子会社の「東北新社メディアサービス」に承継した。この日の政府答弁によると、直前の同9月末時点の東北新社外資比率は22・21%。しかし、同省は承継を認めた。決裁者のトップは当時、同省情報流通行政局長だった山田真貴子・前内閣広報官だった。》
https://www.asahi.com/articles/ASP353TMPP35UTIL00H.html

 そして通信業界では近年、NTTによるドコモの完全子会社化や携帯料金の値下げなど、目まぐるしい動きがみられた。利益供与があったのではないか、大きな疑惑がもたれて当然だ。

 ところが菅内閣は、この期に及んで幕引きをはかるためにムチャクチャな理屈を出してきた。辞めた人(山田真貴子氏)は「一般の方」なので調査しないというのだ。おいおい。

菅義偉首相の長男らから高額接待を受けて辞職した山田真貴子前内閣広報官が、NTT社長らとも会食をしていたと週刊文春で報じられたことについて、政府は4日の参院予算委員会山田氏に事実確認をしない考えを示した共産党の田村智子氏の質問に答えた。
 菅首相は、山田氏が3月1日に辞職した際にNTT社長らとの会食を知らなかったのかと尋ねられ「承知していませんでした」と答えた。田村氏が「(会食を報じた)週刊文春は内閣広報室や総務省を通じて事実確認の質問をしたが、回答を得られなかったとしている。東北新社による接待が大問題の最中に総理の耳に入っていなかったのか」と確認すると、菅首相は「承知していませんでした」と繰り返した。
 さらに田村氏が「山田氏への事実確認は当然行いますね」と尋ねると、加藤勝信官房長官は「既に退任されているので、当方から事実確認する立場にはないと思っている」と答弁。田村氏が「なぜ事実確認されないのか 」と質問すると、加藤官房長官は「既に退任されて一般の方になっているわけですから、政府側が確認する立場にはない」と説明した。
 田村氏が「それでは菅政権は接待問題を究明する立場にないことになる」と追及すると、菅首相は「そこはルールに基づいてしっかり対応している」と主張した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/89504

 菅首相の長男の参考人招致も、自民党は「民間人である」として拒んでいる。
 
 森友学園問題では、「一般の方」であり「民間人」の籠池泰典理事長が国会の証人喚問に呼ばれているではないか。

 贈収賄罪という重大な犯罪が行われた可能性があるというのに、その最大の当事者を調べないとは・・・。
 この内閣は能力から言っても、倫理からみても最低レベルだ。