生命のご先祖はたった1匹の単細胞生物だった

 中国政府は11日、香港独立を支持する議員を失格させる方針を発表。その直後、香港政府は民主派議員4人の資格剥奪を決定した。これを受けて、民主派議員15人が抗議辞任を表明した。

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抗議辞職を発表した民主派議員たち

 《民主党の胡志偉主席は会見で、「香港に今も『一国二制度』がまだあるとは、世界に言えない。今回のことが一国二制度の)正式な死亡宣告だ」と述べた。》(BBC)
 全人代常務委の決定は
 〇香港に対する中国の主権行使を拒否する
 〇香港独立の宣伝
 〇海外勢力に干渉を求める
 〇国家安全に危害を与える
 〇香港基本法と香港政府に忠節を尽くさない―などの行為があった場合、直ちに議員資格を失うというものだが、具体的に何の行動が失格要件なのかは明示されず、当局の判断一つだ。
 民主派の議員辞職の結果、立法会定数70のうち、以前からの欠員8を加えて3分の1超が欠員となり、残りはほとんどが親中派で、議会の機能は期待できなくなる。民主化運動の展望はますます見えなくなった。
 中国はもうやりたい放題。香港は単なる中国の一都市に限りなく近づいていく。
 
 興味深いことに、日本共産党は『赤旗』の「主張」で習近平の名をあげて激しく中国を非難、「共産党」の名に値しない!とバッサリ切り捨てた。

www.jcp.or.jp

 《香港の「一国二制度」をさらに形骸化させる暴挙です。選挙で選ばれた住民代表の地位を、中国の中央機関と香港政府が一方的に奪う行為は内外から厳しい批判を浴びています。強権を行使して自由と民主主義を踏みにじるのは、社会主義とまったく無縁な行動です。直ちに撤回することを要求します。(略)
 中国は資格剥奪に関する決定を「一国二制度を貫徹させるため」としています。まったく成り立たない言い分です。
 香港の地位を定めた香港基本法立法権をはじめ高度な自治を明記しています。議員資格の剥奪は基本法に真っ向から反しています。(略)
 中国の習近平政権は今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を建設することを国家目標に掲げます。社会主義は「国民が主人公」という民主主義の理念を政治、経済や社会全体にわたって現実のものとした社会です。中国が香港で行っていることは社会主義とまったく相いれず、「共産党」の名に値しません。このまま経済力で他国を上回る「強国」になったとしても中国は国際的に信頼される国にはなれません。世界が香港を注視していることを中国指導部は自覚すべきです。》

 日本で、右も左も中国の人権侵害について批判しているのは結構なのだが(自民党には二階氏のような親中派がいるが)、日本政府は中国に対してはいつも「懸念する」、「憂慮する」どまりで「抗議する」までも言わない。少なくとも日本共産党なみの強い姿勢を示すべきだ。
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 さて、「玉川上水46億年を歩く」プレウォークの地球史解説。
 10月31日、第2区(武蔵砂川駅鷹の台駅、6.2km)を歩いた。

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玉川上水の水辺に降りられる数少ない場所が玉川上水駅の近くにある

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歩いている途中で見かけた「ヘクソカズラ」。ひどい名前を付けたものだ。

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ホトトギスが咲いていた

 きょう歩くのは、ざっと36億年前くらいから28億年前くらいまで。

 地球についに命が創発した。
 どこで最初に生命が生れたのか、今も議論があるが、海の深いところというのが有力だ。
 きょうのプレウォークのゴールあたりで、光合成を始める生物が出てくる。光合成は、地球の生命史の大革命で次回お話するが、今はいわば革命前夜ということになる。

 きょうは、命が創発したことがどんな意味を持っているかを考えたい。

 先日、国勢調査があって住所や姓名を書かされたが、宇宙における私たちの住所はどうなるか。
 「おとめ座銀河団」の「アンドロメダ局部銀河群」の「天の川銀河」の「オリオン腕」の「太陽系」の第3惑星、ということになる。
 私たちは、宇宙のただ中にいる「宇宙人」で、地球に生命が生まれたということは、宇宙に生命が生まれたということだ。生命史も宇宙史の中に位置づけけ考えていきたい。

 前回のおさらいだが、宇宙は138億年前に極微の1点からビッグバンで生れた。
 超高温のエネルギーが冷えてくると、最初の物質として素粒子ができ、ついで水素原子が、さらに星が形成されて内部で多様な元素ができ、超新星爆発という星の死でさらにたくさんの元素が生れて宇宙空間に散らばった。宇宙のエネルギーは自らを高度化、複雑化していった。
 多様な元素からなる、祝福された星として生れた地球上でも、原子は結びついて分子に、分子は高分子にと、物質の高度化、複雑化は進行した。その複雑化の結果として生まれたのが生命だ。40億年ほど前のこととされる。

 宇宙の高度化、複雑化のプロセスは、生命の世界をも貫き、生命はどんどん進化して高度化、複雑化し、いまや地球上は人類を含む1000万種とも2000万種ともいわれる多様な生命であふれている。

 ここにヘッケルやダーウィンのものを含め、生命の系統樹がいくつかある。

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ヘッケルの系統樹

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ダーウィン系統樹

 問題はこの根っこのところ、生命の「ご先祖」だ。
 
 近年のDNA研究の進歩はすさまじく、次々に新たな発見がなされているが、最新の研究によると、生命の「共通祖先」、私たち生き物のご先祖は、いろんな場所で多発したのではなく、あるとき、ある特定の場所で生まれた1匹の単細胞生物だったという。

 これを知った時、感動した。
 地球に生きる生き物たちのご先祖がたった1匹で、生き物すべてがそこから進化したとすれば、みんな親戚ということになる。
 ヒトも、そこに咲いてる花も、動物園のパンダも、ゴキブリもみな親戚だ。つまり、生命は一つなのだ。

 さらに言うと、宇宙は138億年前に小さな小さな一点から膨張して現在の巨大な宇宙になったが、小さい風船を膨らませていくら大きくなっても一つであるように、宇宙も一つである。
 宇宙は一つ、生命も一つ、人類も一つ。
 私たち一人ひとりの命も宇宙史の進化の中に位置づけると、また違った風景が見えてくるのではないか。