香港が「一国一制度」になった日

公表をせぬ法律で脅しあげ (兵庫県 岡田万彩)朝日川柳より

 「香港国家安全維持法」、外部には詳しい内容が公表されないまま審議されていたが、可決・施行されてやっと最高刑はやはり終身刑だったことが判明した。

 この法律は、きのう6月30日、全人代常務委員会が全会一致で可決。香港基本法の付属文書に追加することを決めた。その後、習近平国家主席が署名、30日遅く官報に掲載され、即時発効した。

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 施行されて一夜明けた香港では、各地で抗議するデモが行われ、これまでに香港国家安全維持法に違反したとする9人を含む合わせて300人以上が逮捕された。施行直後に新法による逮捕者が出たのだ。

 警察は新たに、この法律に違反することを警告する紫の旗を導入(写真)した。ここには「使用している旗や横断幕、シュプレヒコールに国家分裂、政権転覆の意図があり、国安法の犯罪を構成するものとして逮捕・起訴される可能性がある」とある。
 横断幕の文字や口頭での叫びまで取り締まりの対象になるということだ。場合によっては「警察は横暴だぞ!」というヤジも処罰対象になりうるだろう。これはひどい
f:id:takase22:20200701235707j:plain 【香港警察が1日、フェイスブックに掲載した国安法違反を警告する旗の写真(共同)】

 これでは、怖くて政治に関わること自体できなくなる。きのう周庭さんが民主派団体からの離脱を表明したさいのメッセージは、死をも覚悟した響きがあった。
 中国共産党の完全勝利である。

 

 東京では、在日香港人らが会見を開き、覆面をした3人が登壇し、国家安全法について「何も知らされないまま、自由と未来が奪われました。ですが、我々香港人は決して屈しません」と話した。(ハフィントンポストによる)

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 別の登壇者は「中国政府はその気があれば誰でも該当者にすることができる。ここで記者会見を行うことも国家安全法に違反しています。私たち自身が犯罪者と認定されます。私たちは覚悟したうえで記者会見を決行し、変わらず香港と共に戦います」と危険性を訴えた。
 また、日本が香港人の移住先になる可能性があるので、移住条件の緩和を含めた対応策の早期整備を求めた。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5efc21ebc5b6ca970916b495

 彼らの「覚悟」に我々も応えたい。

 香港情勢がどのように日本に関わってくるか。
 これから注目し、考えていきたい。