収束を早めるPCR検査拡充

 ガードレールに朱色の花。ナガミヒナゲシだ。

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 身が長いことからつけられた名だそうだが、近年どこにでも見かけるようになった。調べると1960年に東京で発見されて以来、爆発的に繁殖し、今や北海道から沖縄まで広まったという。駆除対象になる特定外来生物には指定されていないが、警戒されているようだ。
 アスファルトの隙間から生えているのをよく見る。非常にタフな草である。
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 きのう、昔の友人から「コロナ見舞い」が送られてきた。山形の「丸八やたら漬け」だ。
 先日、廃業のニュースを知ったばかりだった。
 《山形市の老舗漬物店「丸八やたら漬」は5月末で自主廃業する。国の登録有形文化財である蔵と一体になった店舗は飲食店を併設し、観光拠点のひとつだった。業績不振で今秋にも廃業する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で売上高の大半を占める観光客が激減。新関芳則社長は「破綻する前に店を閉めることにした」という。》

 1885年(明治18年)創業の老舗で、店舗は山形国際ドキュメンタリー映画祭の社交場「香味庵クラブ」として映画監督らに利用されていた。

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 外国からの参加者にも好評で、そこで日本酒などを飲みながら楽しく交流したという。写真を見ると歴史を感じさせるお店だ。残念である。山形の映画祭には一度も行ったことがないので、こんどこそと思っていたので、廃業はとても残念だ。
 友人は、丸八の社長と親戚で、最後だからと送ってくれたのだった。大沼デパート無くなるし、寂しくなるよと言う。
 コロナ禍で地方はどうなるのか、気がかりだ。
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 笑いは庶民の武器だといわれる。
 朝日川柳は「うまい!」と感心するものが多く、勉強になる。ちょっと前、6日付より、緊急事態宣言「延長」を受けて。

延長が対策と言う勘違い (兵庫県 片岡邦雄)
コロナ禍に絆で勝てと大本営 (宮城県 水野修)
リーダーは「読む人」しかも間違えて (東京都 坂巻克己)
「新しい政治様式」ないのかい (千葉県 野田充男)

 3句目、安倍首相は今回のように、国民に対して、生き死ににかかわる話を要請する場合でも、いつものように、左右2枚のプロンプター(透明画面に文字を映し出す装置)の原稿を延々と「読む」。プロンプターがトレンドワードになった(4日20時でトレンドランキング2位)という。

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これがプロンプター。首相はここに出てくる文字を読むため、正面を向くことが少ない。

 しかも、給付金の入金時期という切実な話のときに、「早い人で8日支給」を「8月支給」と間違えるミス。おそらく、原稿内容自体を理解していないのではないか。

 

 さらにきのう、まさに火事場泥棒のような暴挙をしかけてきた。
 《衆院内閣委員会は8日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる国家公務員法改正案の実質審議に入った。検察官の定年を延長する検察庁法の改正部分を含む。立憲民主などの野党会派は、黒川弘務東京高検検事長(63)の定年延長問題をただすため森雅子法相の出席を求めた。しかし、自民党は応じなかった。》

 いまコロナ対策を与野党を超えてやるべき時に、憲法違反の疑いのある、不要不急の法案をごり押しするつもりらしい。しかも、法務大臣も出さずに審議するとは何事か。即刻審議をやめよ。
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 「PCR検査を倍にすれば、接触「5割減」でも収束可能?」という研究が話題を呼んでいる。

 《新型コロナウイルスPCR検査を増やすことで自宅などで隔離療養する感染者を倍増できるなら、国民の接触機会は、国が求める「8割減」でなく「5割減」でも、感染は早期に収まるとする計算結果を、九州大学の小田垣孝名誉教授(社会物理学)がまとめた。経済活動と感染拡大防止の両立の「かぎ」はPCR検査にあることを定量的に示したもので、議論を呼びそうだ。》https://www.asahi.com/amp/articles/ASN557T4WN54ULBJ01C.html?ref=amp-photo

(小田垣氏のリポートはhttp://www001.upp.so-net.ne.jp/rise/images/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E4%B8%80%E8%80%83%E5%AF%9F.pdf

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モーニングショーより

 国が「8割、8割」と連呼するが、それよりも検査拡充がはるかに効果的だとすると、自粛を解禁して経済的ダメージを和らげられるし、いわゆる出口戦略も見えてくる。

 緊急事態宣言延長で先が見えずに多くの人が苦悩するなか、このリポートは希望を抱かせる。注目。