日本の技術が世界のPCR検査に貢献

 マーガレット。

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 昔、男子のマンガ雑誌は「少年マガジン」と「少年サンデー」、女子のほうは「少女フレンド」と「マーガレット」が人気だった。
 「マーガレット」は今も出てるそうだが、発行部数は3万部を切ったとか。時代は変わる。
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 3日前、オーストリアの知り合いから、ある本を送ってくれと頼まれた。梱包し封筒にAIR MAIL(エアメール)と書いて郵便局の窓口に持って行った。すると受け付けられないという。「欧州はどこへも飛行機が飛んでいませんから」。
 言われてみればしごく当然の話。おれもバカだなあ。
 しかし、航空便も送れないという時代になったのか。普通の日常が失われたことにあらためて気づかされた。
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 新型コロナウイルス抑え込みでの国ごとの明暗がますますはっきり出てきた。


 中国は企業も学校もとっくにオープン。解禁の反動で、先日紹介したような三爆(爆買い、爆食、爆旅行)に。
 また4月の中国の輸出は前年同月比3.5%増の2003億ドル(21.3兆円)だったと中国税関総署が発表した。
 世界各国が貿易の激減でのたうち回っているときに、前年比プラス!である。(輸入は14.2%減)
 マスク、防護服などの防疫用品の輸出が急増。4月末には1日当たりの輸出額が30億元(450億円)超にまでなった。また、在宅勤務に必要なパソコンの輸出が前年比5割増しという。

 韓国は5月5日に外出自粛の要請を解除。同日、プロ野球が、無観客でだが開幕した。
 台湾プロ野球CPBL)は4月12日に開幕。5月8日には二つの球場でともに最大1000人の観客を入れて試合が行われた。
 台湾は中国本土との人的交流が非常に密なのだが、現在新型コロナによる死者はわずか6人にとどまる。


 一方、アメリは世界の感染者400万人のうち130万人超と、目も当てられない惨状だ。
 8日に米労働省が発表した雇用統計では、失業率は14.7%と、1930年代の世界恐慌以降で最悪の水準に。4月の失業者数は約2050万人。コロナ危機以来の統計を合わせると3300万人が失業したという。数字の桁を間違えているのでは、と思うほどの実態だ。
 《米労働省は、雇用されてはいるが「仕事を休んでいる」と回答した人の数が急増していることから、予測よりも状況が悪化する可能性があると警告。これらの回答を含めると、失業率は20%近いとしている。》(BBC)

 国ごとの違いの理由は「政治」にしか求められない。
 わが日本だが、新たな感染者数が減少傾向なのにはほっとさせられる反面、風邪がぐずぐず長引いているように、出口が見えないままだ。検査が少なくデータがきわめて不十分なのだから、今後を判断できない状態がつづく。
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 韓国でPCR検査をやっている組織をテレビで紹介していた。

 検査機関に持ち込まれた検体はバーコードが付けられ、陰圧室で検査用の容器に移し替えられる。手作業はここまで。

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 あとは96人分一緒に検査機器に入れると、自動的に検体一つに5~6種類の試薬を注入し、遺伝子を抽出して分析してくれ、結果はPC上に出てくる。ここは55台を備え、1日1万件の検査を行っている。ここだけで日本全体の一日の検査数を上回ってしまう。
 韓国には、こうした民間の検査機関が100社ちかくあるという。
 こうやって検査結果を出すのかと興味深く観た。


 なんで日本では検査が進まないのかとじれったく思っていたら、じつは日本の検査機器・システムは世界で活躍しており、先日フランス大使に感謝された会社があったとニュースになっていた。

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コンパクトで狭い検査スペースでもOK

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日本以外の世界各国で重宝がられているという

 《DNA抽出装置や全自動遺伝子診断システムの開発などを手掛ける東証マザーズ上場の「プレシジョン・システム・サイエンス」(千葉県松戸市、PSS社)は現在、研究機関や病院で行われている手作業のPCR検査について、早く正確に判断できる「全自動PCR検査システム」を開発している。
 手作業のPCR検査は、工程が煩雑のため、1検体当たり、判定に6時間ほどかかる。これに対し、「全自動PCR検査システム」は「2時間で(機器によって)8検体または12検体の判定が可能」(同社)という。つまり、大雑把に言って機器の稼働台数を増やせば、それだけ検査数が増えるわけだ。
 PSS社がOEM供給した仏・エリテック社ブランドのシステムは、同国の医療現場で採用されており、新型コロナウイルスのPCR検査でも高い成果を上げているという。PSS社は功績が認められ、駐日フランス大使からシステム供給に対して礼状が届いたほどだ。
 PSS社はまた、東京農工大とも連携し、新型コロナウイルスの迅速診断に向けた新たな「全自動PCR検査システム」を共同開発。3月時点で国に使用を認めるよう申請したというのだが、いまだに進展がないのが現状だ。フランスの医療現場で採用され、駐日フランス大使から礼状まで届くPCR検査システムがなぜ、日本で使用できないのか。》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200508-00000015-nkgendai-life

 この手のニュースを聞くたびに力が抜けていく。
 優秀な人や機械は日本にあるのに、今頃になって「検査を増やさなければなりません」などと首相が言うとはなにごと?