「民主主義のために」そろって抗議する豪のメディア

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 都会でも紅葉を楽しませてくれるのがハナミズキ。街のあちこちで秋らしく色づいた葉と真っ赤な実を見かける。
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 1週間前の19日(土)、国立市の桜守、大谷和彦さんからSOSが入った。国立(くにたち)高校の1年生320人に桜守の授業をするのに人手が足りない!というので、おっとり刀で駆けつけた。
 大谷さんは市内の小中高校で自然観察や市の名物の桜並木の手入れの授業をボランティアで続けている。この日は、8クラスを何組かに分けて、桜を保護する生垣を植えたり落ちた枝や葉の片づけをしたりしたのだが、もっとも盛り上がったのが病んだ老木を伐り倒す作業。チェンソーを使えば簡単なのだが、あえて小さいノコギリで生徒に伐らせた。幹に大きな空洞があってすぐにも倒れそうなのに、意外にしぶとい。たっぷり2時間かけて、みんなで「せーの!」で引き倒したときには大きな歓声が上がった。

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 今のご時世、木を伐り倒すなど危険だとして許可しない学校が多いだろうが、こういう経験は貴重だ。桜守の授業が今後も続くことを期待している。
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 これは21日のオーストラリアの主要新聞。黒塗りされ「極秘」のスタンプが押された文書を、そろって1面に掲載した。政府が報道規制の動きを示していることへの抗議だった。
 ニューズ・コープ・オーストラリアとナインという二つの巨大メディアグループが足並みをそろえるのは珍しいという。
 この抗議の前日には政府が、6月に警察の家宅捜索の対象になった3人の記者について、訴追される可能性があると強調していたという。
 《6月、警察が公共放送ABCのシドニー本社とニューズ・コープ・オーストラリアの記者宅を家宅捜索し、激しい批判が沸き起こった。
 メディア側は、内部告発者の情報をもとに、オーストラリア軍による戦争犯罪の疑いや、政府当局による市民監視の疑いを報じたことが、捜査の背景にあると主張。安全保障に関する法律が報道の自由を制限し、オーストラリアに「秘密の文化」を生み出していると非難している。
 一方、政府は報道の自由を擁護するとしつつ、「誰も法の上に立つことはできない」との姿勢をとり続けている。スコット・モリソン首相は20日、「法治主義」は維持される必要があると強調。「それは私も、どのジャーナリストも、他の誰もが対象となる」と述べた。(略)
 今回の行動でメディア側は、過去20年間に安全保障関連の法律が複数制定され、調査報道を困難にし、市民の知る権利を侵害していると主張している。
 昨年には、スパイ行為に対抗する新たな法律が成立。メディア側は、際どい情報を扱うジャーナリストと内部告発者は規制対象から除外されるべきだと訴えている。》(BBChttps://www.bbc.com/japanese/50121363

ニューズ・コープ・オーストラリアのライバルグループのナインの傘下にある「シドニーモーニングヘラルド」紙編集長、リサ・デイヴィーズ氏は、「これはジャーナリストのための行動ではない。オーストラリアの民主主義のためだ」とツイートしている。

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こうして見ると、オーストラリアでも報道の自由への規制は強まっているようだが、違うのは同業のライバルでも「民主主義のため」としてメディアがいっせいに立ち上がることだ。日本が見習うべきところである。