中東の旅から
市場に行きたくなる。その理由の一つは、お店の商品のディスプレイが楽しいから。
上からぶら下がるもの、下から積み上げるもの・・。効率一点張りではなく、遊び心がある。
2月24日に行われた沖縄県民投票で、辺野古埋め立てによる新基地計画について「反対」が72.15%、「賛成」は19.10%という結果が出た。投票率は52.48%だった。
その翌日の25日、私は沖縄出身のジャーナリスト、石川文洋さんと京都で会っていた。
「投票率が過半数で、反対が7割という圧勝でした。沖縄県人としてはホッとしました。でも本土の人の関心は非常に低い。私は今回の県民投票をきっかけに、本土の人に考えてもらいたいと思います」と文洋さんは言う。こんどは、我々本土の人間が動く番である。
しかし、政府、自民党のエライさんたちはカエルの面になんとかで、まるで打合せでもしたかのように「真摯に受け止める」とくりかえした。
25日、県民投票の結果について安倍晋三首相は「沖縄に米軍基地が集中している現状は到底容認できない。沖縄の負担軽減は政府の大きな責任だ。今回の県民投票の結果を真摯に受け止め、これからも基地負担軽減に向けて全力で取り組む」。
菅義偉長官(この人、沖縄基地負担軽減担当大臣でもある)は記者会見で「真摯に受け止める」「早期に辺野古への移設と普天間飛行場の返還を実現したいという考え方に変わりはない」
二階俊博・自民党幹事長や岸田文雄・自民党政調会長もそろって投票の結果を「真摯に受け止めなければならない」とコメント。
もう日本語が通じない。この集団では、「無視する」ことを「真摯に受け止める」と言うらしい。
菅官房長官など、県民投票の前から「粘り強く工事を進めていく考えに変わりはない」と語り、はじめから投票の結果などどうでもよかったのである。民主主義がどうのという前に、社会をまとめている最低の倫理感が崩れていくような怖さを感じる。
そもそも「辺野古への早期の移設」というけれど、辺野古基地工事の完成まで十数年もかかるとの試算がでた。その間は沖縄に基地が一つ増えることになるではないか。
「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事の総事業費は2・5兆円にのぼり、防衛省の当初計画の約10倍になる、と沖縄県が試算した。完成までの期間も13年はかかると見込む。」(朝日新聞2018年12月11日)
工事にかける膨大なお金と時間とムダなエネルギーは、すでによれよれになった日本の国力を確実に削いでいくだろう。これを進めるものこそ国賊であろう。