ゴジカ。昼ごろ開いて1日でしぼむので「午時花」。東南アジア原産で日本には江戸時代に入ったという。
イヌサフラン。痛風持ちの私も世話になったコルヒチンという薬がとれる。しかし、猛毒で、2006年から2016年の間に誤食して6人が死亡している。ギョウジャニンニクと間違えやすいという。
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トランプ大統領の国連総会の一般討論演説がニュースになっている。そもそも30分も遅刻して、国連なんか重視していないぞとアピール。「(就任から)2年足らずで大半の歴代政権よりも多くのことをなし遂げた」と自慢げに演説を始めて失笑を買い、「米国は米国人が統治する。グローバリズムを拒否し、愛国主義の精神を尊重する」とぶちあげた。
地球温暖化対策の「パリ協定」、イラン核合意など多国間の枠組みに背を向け、国連人権理事会やユネスコから脱退するなど一国主義で勝手放題のトランプVS国際社会という構図を見せつけた。こういうのを見ると、やはり誰がリーダーになるかは大事だなと思う。日曜は沖縄知事選だが、台風で荒れ模様になる可能性もあるという。
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わが国がナンバーワン、わが国民こそ最も偉大だというトランプ流「愛国主義」は他民族へのヘイトのベースになり国際協調を妨げる。この考え方は日本にもじわじわ浸透してきたように感じる。
そこでお勧めなのが、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』(草思社)だ。1998年度ピュリッツァー賞(一般ノンフィクション部門)受賞の名著である。
この本の目的は、「世界のさまざまな民族が、それぞれに異なる歴史の経路をたどったのはなぜだろうか」という人類史最大の謎を解明することだ。「世界には、文字を持たず、単純な技術しか持たない狩猟採集民でありつづけた民族がいる一方で、農業を発達させ、さまざまな技術を開発し、文字を持つ文化を形成した民族もいる」。こうした歴史的な不均衡はなぜ生まれたのか。この大問題に、UCLAの医学部教授であるダイアモンド博士は、分子生物学から遺伝子学、考古学、人類学、言語学その他多様な分野の知見を駆使してダイナミックに迫っている。
今から1万3千年前、最終氷河期が終わった時点では、人類は世界各地で似たり寄ったりの狩猟採集生活をしていたのだが、その後、各大陸で異なった歩みをたどる。その結果が、ユーラシア大陸系の民族や北米への移民の子孫たちが世界の富と権力の大部分を支配している今の国際秩序をもたらしている。
支配する側、日本を含む「勝ち組」の人々は、歴史発展の差異は、人種や民族による生物学的な差異が生み出したと考えがちだ。つまりわが民族が生物学的に優秀だったからだ、と。
ところがダイアモンド博士は、これを明確に否定し、「歴史は民族によって異なる経路をたどったが、それは居住環境の差異によるものであって、民族間の生物学的な差異によるものではない」と結論づける。その民族が優秀だったかどうかではなく、定住した場所によるというのである。
近年、日本では中国や韓国を侮蔑するなど民族的な偏見を煽る言説がネット上であふれ、多くの出版物でも目に付く。トランプ大統領の演説にも触発されて、この本を紹介したくなった。
(つづく)