節気はもう秋分

 栗のイガが茶色になり割れ始めた。夕方暗くなるのが早くなったと思ったら、もう秋分ですか。昼と夜の長さが同じで、ここから夜が長くなり冬に近づいていく。
 きょう23日から初候「雷乃収声」(かみなり、すなわちこえをおさむ)で夏の雷が終わるということ。夕方の空にはイワシ雲が見えた。次候「蟄虫坏戸」(むし、かくれてとをふさぐ)が28日から。虫たちが冬籠りの準備をしはじめる。10月3日からは末候「水始涸」(みず、はじめてかるる)。稲刈りを終えた田んぼから水が抜かれるころになる。
 中秋の名月はあす24日だそうだ。晴れてほしい。
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 大坂なおみ選手、東レ・パンパシフィック・オープン決勝で敗れて準優勝。残念でした。先日、彼女の国籍の話をしたが、最近は国籍が問題になる選手が次々に出てきた。

 きのうサーフィンのワールドゲームズ(WG)の最終日、個人で2位になった五十嵐カノア選手。





 また、スポーツクライミング東京五輪メダル確実と言われる17歳の白石阿島(あしま)選手。二人ともアメリカとの重国籍。スポーツ選手としての国籍をどこにするかで日米の駆け引きがさかんになっているという。国際結婚や海外移住が進む中で、こうしたケースが増えてくる。
 バーレーンカタールなどは国策として外国のスポーツ選手を招いて自国選手として出している。自分の国の選手層が厚くて代表になれそうもない場合、選手が進んで他国の代表になるのを希望することある。甲子園をめざす高校生が、出身県から遠く離れて野球留学するのと同じ。選手本人にとっては、どの国籍で登録するのが有利かという判断になるのだろう。
 以前、アメリカで、外国人が「アメリカ人になれよ」と説得されているのを見たことがある。優秀な人がアメリカ人になることは、アメリカにとってもいいことだから、だという。また、私の知り合いの東欧出身の男(日本人の奥さんと子どもと日本に住んでいる)は今後の自分の国籍で迷っていたが、「日本も悪くないけど、アメリカ国籍のほうが今後可能性が広がりそうだ」と米国籍をとる準備に入った。
 アメリカ人である」ではなく「アメリカ人になる」・・・。自分で国籍を選ぶという発想は驚きだった。私だけでなく多くの日本人は国籍は生まれる前から死ぬまで変わらぬ属性と思い込んでいるから、大坂なおみのような人が出てくると、ことさらにジャパニーズらしさを見いだして納得しようとするのかもしれない。国際化は国籍を便宜的な属性に変えようとしている。
 そう考えると、アジア競技会もオリンピックも選手の国籍で大騒ぎする意味があるのか疑問になってくる。いっそ、国別メダル獲得ランキングなんてやめればいいのに。