ロケンローだった樹木希林


 於:薬用植物園。まず、秋の七草のフジバカマ。民間療法として皮膚のかゆみに浴用剤として用いられるという。万葉の時代から親しまれたそうだが、今は全国的に減って、環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類だという。

 こちらはシオン(紫苑)。根が咳止めになるという。フジバカマと同じく、これも古くから日本にある草で、やはり絶滅危惧Ⅱ類。古来からある植物が数を減らしているのにはなにか訳があるのか、知りたい。
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 自民党総裁選は、予想通り安倍氏が勝ち、就任会見で「「憲法改正にいよいよ挑戦し、平成のその先の時代に向かって、新しい国づくりに挑んでいきます」と語った。さっそく具体的に憲法改正に取りかかるつもりのようだ。
 となると国民投票になるが、これについて民放はテレビCMを規制しない方針だという。
 日本民間放送連盟(民放連)は20日、理事会を開き、憲法改正の際に賛否などを呼びかけるCMについて、放送時間の長さなどの量的な規制はしないことを決めた。資金力がある側のCMが大量に流れると公平性が保てない恐れがあるとして、野党などから放送局に自主規制を求める声が上がり、民放連の対応に注目が集まっていた。
 民放連の大久保好男会長(日本テレビ社長)が同日の定例会見で明らかにした。自主規制をしない理由について民放連は、「国民投票運動は原則自由であり、規制は必要最小限とするのが法の原則。仮に、扇情的な広告放送が行われたとしても、基本的に言論の自由市場で淘汰すべきもの」との考え方を示した。》朝日新聞
 言論の自由市場で淘汰、なんてアダム・スミスみたいなことを言っているが、実際には、お金のある側、つまり安倍首相率いる改憲勢力が無制限にCMを垂れ流して世論を誘導できることになる。総裁選の日というタイミングで決定、発表というのも気になる。私自身は、現在の日米地位協定をそのままにしての9条改正には反対だが、問題は護憲・改憲いずれがよいかではなく、公共の電波を政治宣伝の道具にしてよいかということだ。テレビの存在意義が問われると思うが、テレビ局にいる人々はどう考えているのか。
 私はなぜかテレビ局内で出世する人とご縁があり、知り合いに偉いさんも多い。いま現役のテレビ局の会長、社長になっているのが3人いる。いずれも若い頃一緒に仕事をした仲で、自宅に泊りにいくほど親しかった人もいる。偉くなってからはすっかりご無沙汰になって年賀状のやり取りだけだが、彼らは今の民放の動向をどんなふうに思っているのか。若い頃のように、青くさい理想論を多少は持ち続けているだろうか。
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 樹木希林という人は、歳をとってもみずみずしい感性を持っていたようで、3年前には沖縄について勉強不足で恥ずかしいと言いつつ辺野古の反基地闘争を激励したりしている。芸能人にとって政治的発言はご法度。まして運動を激励なんて決してやらないものだが、彼女はそんなことは気にしない。
 『リテラ』の記事《樹木希林辺野古に現れた日! 米軍基地反対の座り込みをするおばあの手を握って…》がおもしろい。「日本的な同調圧力に屈せずに自分のペースをつらぬく生き様や語り口が私たちに勇気を与えてくれていた」という評価に同意する。

(キャンプシュワブゲート前テントにて、移設への抗議活動を長年続けている島袋文子さんと)
 しかし夫、内田裕也は彼女を批判した。
「オキナワの基地問題は本当に難しい!『安保条約』によって、米銀基地によって、日本は守られてきた。KKさん、軽々しい発言はヤメロー!JOKEではすまされない。祈る 正論!ROCK’N ROLL! 内田裕也原文ママ
 この「KKさん」はもちろん樹木希林のこと。それしてもロケンロー!(ROCK’N ROLL!)の内田裕也、若い頃は反体制のイメージで売ったはずだが、「米軍基地で日本は守られているのだから黙ってろ」などと言うとは・・。
 筆者の水井多賀子が「樹木のほうが圧倒的に「ラブ&ピース」で「ロケンロー」だ」と記事を締めくくったのには、うなずきながら笑ってしまった。
https://lite-ra.com/2018/09/post-4258.html