「ご飯論法」の卑怯を許すな

 きょう午後、母親が心臓のカテーテル手術を受けるので、朝、病院に見舞う。危険な手術ではないと説明を受けたものの、さすがに心細いらしいので、手を握って「大丈夫だよ」と励ます。病院入り口の花壇にアジサイが咲いていた。そろそろ梅雨か。
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 国会では、決定的ともいえる証拠がいくつも挙げられて政府を追及している。
 加計学園」は26日、獣医学部新設をめぐり、2015年2月に加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面会したと記した県の文書についてコメントを発表。当時の担当者が「実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとの事でした」としている。県が21日、参院に提出した関連文書には、安倍首相が15年2月25日に加計氏と15分程度面会したという学園から県への報告内容が記されていた。首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたという記述もあった。加計学園のコメントでは、当時は「獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探していた」ので担当者が面会に言及した、としている。
 とうてい信じられない言い訳だが、万が一これが事実だとすると、わざと架空の情報を与えて事態を有利に動かし、獣医学部設置を実現させたということになる。その結果、学園は県と市から事業費のうち93億円の補助、市から評価額36億7500万円の予定地を無償譲渡、国から私学助成金と、巨額の援助を得た。これはもう「詐欺」だろう。それが謝罪も会見もなく、ファクス1枚で報道各社に送りつけておしまい。
 これに対して安倍首相は問題にしないという。「膿を出し切る」などと言いながら、内閣は事実を明らかにする姿勢を全く見せていない。ごまかしの答弁で時間をどんどん空費させ、政府はそろそろ打ち切りの方向へと持っていこうとしている。

 いまネットで、政府の不誠実な答弁が「ご飯論法」だとして評判になっている。
Q「朝ごはんは食べなかったんですか?」
A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」
Q「何も食べなかったんですね?」
A「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので・・」
 上西充子氏(法政大学教授)が、意図的な「論点ずらし」や「はぐらかし」などの不誠実な国会答弁の手法を分かりやすく説明したものだ。https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180520-00085438/
 上西氏は「ご飯論法が注目されたことで、国会質疑の何がおかしいのかということを伝えることができたと思う。モリカケ問題ばかりやっている、といった批判があるが、卑怯(ひきょう)なのはこうした答弁で国会や国民を愚弄している政府ではないか」と話した。まったく、そのとおりだ。

 モリカケ問題については政府をまったく信用できない人が圧倒的多数なのにもかかわらず、内閣支持率は持ち直しはじめている。しかし・・米国のウォーターゲート事件は、1972年6月17日にワシントンD.C.民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まったが、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅などあらゆる手で逃げ切りをはかったリチャード・ニクソン大統領が辞任に追い込まれたのは、事件から2年以上経った1974年8月9日だった。
 追及をあきらめてはならない。