拉致被害者が帰国して14年

公園で見かけた千日紅。

白やピンクや赤の花と見えるところは、苞(ほう)だそうだ。苞というのは、花のすぐ下にある葉の変形したもの。夏を過ぎてもずっと咲き続けている。
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今朝テレビを見ていたら、高名な政治評論家がタイの国王逝去を評するなかで、「欧米では王制は民主主義に反するとされているが」云々と言っていた。いや、そんなことはないだろう。
エコノミスト』が毎年発表する民主主義ランキングで「フル・デモクラシー(完全な民主主義)」という最高ランクに属する国が20カ国あるが、ノルウェー、スエーデン、デンマーク、オランダ、ルクセンブルク、英国といった君主制の国が勢ぞろいしている。
なお、日本はこの20には入らず、その下の「フロード(欠陥ある)デモクラシー」のグループに入れられ、韓国よりも下にランクされている。血圧の高い人は見ないように。
http://www.yabiladi.com/img/content/EIU-Democracy-Index-2015.pdf
というわけで、少なくとも欧州では「君主制が非民主的」などと思われてはいない。もちろん、サウジアラビアあたりの王制がオランダの王制と内実がまったく異なるのはいうまでもない。同じ共和制でも、北朝鮮と韓国の政治実態がかけ離れているように、政体そのものよりも、中身が問題なのだ。
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きょう10月15日は、14年前の2002年に、5人の拉致被害者北朝鮮から24年ぶりに日本に戻ってきた日だ。
最近、拉致問題とご縁がある。
先週土曜日の8日は「大阪ブルーリボンの会」主催の「大阪府民の集い」で講演してきた。

いま、拉致をめぐる事態が全く動かないように見える。北朝鮮にかんするニュースは核・ミサイル一色になっている。何を話すか迷ったが、原点に戻って、そもそも拉致問題とは何か、拉致されることがいかに残酷なことか、どこまで運動は進んできたのかという、そもそも論を話した。
集会では、飯塚繁雄さん、飯塚耕一郎さん(田口八重子さんの息子)、有本明弘さん(恵子さんのお父さん)、福山晴海さん(特定失踪者、ちあきさんのお母さん)が、政府に、拉致問題の解決を、核・ミサイルの話とは切り離して進めてくれるよう訴えた。
Http://osaka-blueribbon.org/

連休初日にもかかわらず400人もの参加者があり、集会のあと200人が御堂筋をデモ行進した。それにしても、拉致問題は時間があまりにもたちすぎた。田口八重子さんは、耕一郎さんを産んだ翌年(1978年)に拉致されているが、耕一郎さんはいま39歳。彼は記憶にない母親を「お母さん」ではなく「八重子さん」と呼ぶ。演壇で、耕一郎さんが「八重子さん」という名を言うたびに痛ましく感じた。
【右から2人目の一番小さい赤ちゃんが耕一郎さん、左端が八重子さん】
おととい13日(木)は、Abema PrimeというネットTVの『所太郎の今だから言える“真実”』というコーナー(夜10時から)のスタジオで、拉致問題を語る機会があった。スタジオには20歳前後のゲストが4〜5人いて、彼らの質問にも答えたが、いかに若い世代に拉致問題が浸透していないことに驚いた。ただ、私たちの説明には非常に高い関心を示して、一刻も早く救出しなければと強く思うと語っていた。もっと啓蒙しなくては。
AbemaTV (アベマTV)とは、サイバーエージョンとテレビ朝日が出資して今年4月に開局したインターネットテレビで、20以上のチャンネルをもち、24時間放送している。
今回は主に、横田めぐみさんを中心に語り、次回(20日)もやはりスタジオ出演して、寺越武志さんのケースを取り上げる。

帰国した拉致被害者蓮池薫さんは、拉致によって「夢」と「絆」を奪われたという。いまだにそれを奪われたままで帰国できないでいる被害者たちに思いを馳せたい。