街頭インタビューが一斉に消えた日

takase222015-03-21

18日チュニジアで起きた襲撃事件では、日本人3人を含む外国人観光客ら20人以上が死亡した。
犯人グループはイスラム過激派のようだが、こうした組織は、ピラミッド状の指揮系統を持つのではなく、勝手連のような形で世界中で増殖している。今後各地でこの種の事件が起きそうだ。
日本政府は「チュニジア共和国に対する環境・気候変動対策無償資金協力」を行っている。即効性はないが、若者の過激派へのリクルートを食い止めるのに貢献できる。こうした地道な援助は続けていくべきだ。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_000754.html
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昨夜、テレビ局で、街頭インタビューの自主規制がある話をすると、一緒に飲んでいた水島宏明さん(元民放テレビの報道マン)が、とりわけ、去年の総選挙の時期は、街頭インタビューが激減したと言う。
水島さんは、実際に調査した結果を《「街頭インタビュー」はどこへ消えた? 総選挙のテレビ報道に”異変”》というネット記事にまとめていた。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20141227-00041835/

《解散前日の11月20日に自民党から在京テレビ局各社に、選挙報道の公正中立を求める異例の「要望書」が出ていました。
そのなかでは
「街頭インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る。あるいは特定の政治的な立ち場が強調されることのないよう、公正中立、公平を期していただきたい」
と書かれてありました。

今回の自民党の要望書は、一見もっともな要望のように見えるのですが、街頭インタビューや資料映像の使い方にまで神経をとがらせていてすごく細かいのが特徴です。(略)

「街頭インタビューは一歩間違えば、自民党が抗議してくるかもしれない。それならいっそのこと街頭インタビューそのものを放送するのはやめてしまおう」
そんなふうに考えるテレビ局や番組担当者が出てきてもおかしくありません。》

そして、いくつかの情報番組の名を出して、こう続けている。
自民党がテレビ各局に要望書を出す11月20日の前までは街頭インタビューを放送していたこれらの情報番組が、要望書をもらって以降はほとんど街頭インタビューを流していません。

特に衆議院が解散された11月21日は「今回の解散についてどう思うか?」「総選挙での争点は何だと思うか?」を一般市民に聞く絶好の機会でしたが、ほぼすべての情報番組が一律に街頭インタビューを実施しなかったのはかなり不自然なことです。

テレビ朝日とTBSの2つの放送局に関して言えば、「Nスタ」や「スーパーJチャンネル」などのニュース番組(「報道番組」)では、被災地を含めた地域で取材した街頭インタビューを21日以降もかなり意欲的に放送しています。

ところが同じテレビ局でも「情報番組」になると一変して、放送していません。
また、日本テレビも情報番組「スッキリ!!」はふだん街頭インタビューを目玉のひとつにしている番組ですが、11月21日以降、選挙に関係する街頭インタビューを放送していません。日本テレビが放送した番組では「街頭インタビュー」が見つかったのはわずかに「情報ライブ ミヤネ屋」と「ウェークアップ!ぷらす」でしたが、2つとも大阪の読売テレビが制作する番組で、日本テレビが制作する番組ではありません。TBSやテレビ朝日、フジテレビなどのニュース番組は今回あまり多いとは言えないものの多かれ少なかれ街頭インタビューを流していました。
しかし、「NEWS ZERO」や「news every.」「真相報道バンキシャ!」など、日本テレビのニュース番組、報道番組のなかで街頭インタビューを見つけることはできませんでした。
ひょっとするとその他のニュースでやっていたのかもしれませんが、主要な番組の中で街頭インタビューを全く使わないとすればかなり不自然な印象です。

自民党の要望書によるものなのかどうかはわかりませんが、どの局に限らず、全般的に街頭インタビューの放送の頻度は少なかったと言えます。》

いま起きているのは、メディア内部から権力の意向を「忖度」(そんたく)、「迎合」する事態であるように思われる。
これに対して、内部からほとんど声が上がらないことを非常に憂慮している。