ジャーナリストの常岡浩介さんが逮捕されるかも・・・
きのう、常岡さんから「午後1時ごろ、警視庁の外事3課から『被疑者として取り調べたいので出頭するように』との電話がありました」と連絡があった。例の「私戦予備陰謀」の事件である。
常岡さんはこれまでは「参考人」だったが「被疑者」になったわけだ。
常岡さんは、出頭を拒否したそうで、まさかと思っていた「逮捕」の可能性が出てきた。
「私戦予備陰謀」というのは、送り出しのネットワークなど一定の組織的な背景があることが前提になるはずだが、それを、シリアにもイスラム国にも関心を持たない、奇人と言ってもいいような一人の青年の行動に適用しようというのか。
電話をもらって、それは大変だなと思いつつ、常岡さんと一緒に取り組んでいる仕事があり、悪いけど「常岡さん、身柄が持っていかれる前に、頼んだ仕事、ちゃんと終わらせてくださいよ」と非情な要求をする。すみません。
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さて、前回のつづき。
チェルノブイリ事故での住民の内部被ばく量と比べて、福島県民のそれが非常に低いのはなぜか。
セシウムは新陳代謝で体外に排出されるので、新たに食物などで摂取しなければどんどん低くなる。それを確認したのが、早野龍五教授が提唱した「給食まるごとセシウム検査」だった。事故の年、ポケットマネーではじめた学校の給食の検査だ。
そして、福島の農作物を安全にできたのは、現地の住民を含むたくさんの人々の努力のたまものだったという。
早野 「日本の人は、基準が決まりさえすれば、厳密に守るんです。これって、実はすごいことですよ。生産者の方々も非常にがんばって、工夫して、その規制値を超えないようにした。農学部の先生方もすごく努力をされて、どうやったらセシウムが入っていないお米が作れるか。研究を重ねられて、それが非常にうまくいったんです。ちなみに、福島県産のお米は現在ではすべての米袋についてセシウムを測定しているんですが、2012年度福島県産の玄米で100ベクレルを超えたのは、0.0007%。1000万袋以上測って71袋です。もちろん、このお米は流通していません。」(P85)
今年はどうか。
11月10日現在、基準値超えがまだ1検体も出ていないというすごい結果になっている。
872万2096検体中、ND(検出せず)が 872万0470検体。数値検出が1626検体あったが、すべて基準値よりはるかに低かったという。
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-808.html
今年も最終的には1100万検体ほどになると思われ、すでに8割近くが終わった。この段階で基準値超えがないということは、基準超えゼロ!も射程に入ってきた。すばらしい。
意外に知られていないのだが、福島県の検査は「サンプリング検査」ではなく、全ての米袋を測定する「全袋検査」。原発事故の翌年にはじまり、今年でもう3年目になる。
これを可能にするために、島津製作所など5社が、30キロの玄米を10秒で検査できるスクリーニング検査機を新たに開発するなど、ものづくりの技術者、職人の努力もあった。(写真は、島津製作所の高速・高精度のスクリーニング検査機)
周りに知らない人がいたら、販売されている福島のお米は全部がしっかり検査されていて、とても安全なんだよとぜひ教えてあげてほしい。
『知ろうとすること。』を読むと、住民の、とくに子どもたちの被ばくをなんとかしようとする人々の努力に、日本という国の希望を見る思いがする。
じゃあ、福島には問題はないのか?
展望の見えない汚染水や廃炉の問題はじめ、もちろんたくさんある。それはそれ。
正しく憂いつつ、人々と農産物の被ばくについては大丈夫だということを確認し、風評被害を封じ込めたい