えっ、日本は「覇権主義」?

takase222014-02-13

スキー・ジャンプの高梨沙羅さん。
追い風とかいろんな事情があったらしいが、結果は4位。
ワールドカップ13戦10勝となれば、「金は確実」と期待してしまう。しかし、「確実」などというものはないと思い知らされる。
あんな若い娘の小さな体に日本中の期待がのしかかっていたと思うと、かわいそうで見ていられなかった。カメラから逃げだしたいだろうに、きちんと健気に受け答えしていた。えらいな。
かわいそうといえば、佐村河内氏のゴーストライターだった新垣隆氏。
もちろん「共犯」でもあるのだが、一方的に利用され、最後は良心の呵責に耐えられずに告白した。記者会見での表情と話しぶりに誠実さを感じた。
実力のある音楽家で、教育者としても尊敬されていたらしい。
新垣氏が非常勤講師をしている大学を辞する意志を明らかにし、大学側が「厳正に対処する」とのコメントを発表した。すると、彼の教え子たちが「新垣先生を慕う学生・音楽家同志一同」なる団体を立ち上げ、ネットで寛大な処分を訴える署名を募っている。さっき見たら1万5千人超の署名が集まっていた。大学は処分を白紙に戻すという。
新垣氏に3年間和声学を教わったという学生が、この署名サイトに「彼(新垣先生)ほど音楽にも人間にも真摯で実直で慈愛に満ちた人間はいません」と書いていた。
きょう、新垣氏に接触しようとしたが、当分、単独の取材には応じないという。残念。
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先々週の「週刊フジTV批評」(2月1日)の特集(クリティートーク)「混迷する東アジア〜“民間外交”とメディアの役割」が、今の日中関係を扱っていて興味深かった。
ゲストは「言論NPO」代表の工藤泰志氏。
恥ずかしながらこのNPOを知らなかったのでHPを見ると、工藤代表のあいさつには、
《私たちは「議論の力」がこの時代を動かす鍵だと考えています。そのために言論NPOは、日本と世界を舞台に活動しています。
 東アジアでは国民感情が悪化する中、政府外交が機能していません。そうした局面では、様々なステークホルダーを巻き込んだ民間対話により、当事者意識を持った健全な輿論を形成することが重要です。この民間外交アプローチを「言論外交」と名付け、言論NPOは東アジアの安定に向けた対話を展開しています。》とある。
http://www.genron-npo.net/about/kudo.html
民間外交というとすぐに「友好」を唱えると思っていたら、彼が「友好ではなく対話」と言った。そのとおり、と共感した。
このNPOは、反日が高まっていた去年10月末に北京で、「東京−北京フォーラム」を開き、政治家、官僚、自衛隊人民解放軍の軍人も含め3000人を集めた。その議題には「尖閣問題」も入っていた。
中国に「民間」があるのかという基本的な問題はあるものの、この「東京−北京フォーラム」は毎年ひらかれ、去年で9回を数えた。
このフォーラムの特徴のひとつは世論調査
今回の調査は「過去最悪」だったという。両国とも、相手国に良くない印象を持っている人が9割にのぼったのだ。
また、「社会、政治体制」では、中国人は日本をどう思っているのか。
「民主主義」(10%)「平和主義」(6.9%)「国際協調主義」(11.8%)「自由主義」(13.6%)などは非常に低い。
「資本主義」(42.1%)はまあ順当として、「軍国主義」(41.9%)さらには「覇権主義」(48.9%)だと思っているという結果に驚いた。
力をアピールし実力行使する国を指す「覇権主義」がダントツの一位とは・・・。「覇権主義」は中国じゃないのか?
そして、世論調査ではさらに恐ろしい結果が判明する。
(つづく)