日中戦争への危機感

先週につづく豪雪で、電車に2時間閉じ込められた。
駅からの道が雪に埋もれて、深夜家に帰ったときには靴下がぐしょぬれだった。
娘たちは二人とも止まった電車の中で夜明かしして朝方帰宅。携帯の電源も切れ公衆電話からかけてきた。あまり見なくなった公衆電話だが、こういうときに役に立つのだな。
《急速に発達する低気圧の影響で14日から15日にかけて、関東甲信や東北中心に先週を超える記録的な大雪となった。東京都心(大手町)で27センチの積雪を観測し、戦後4番目だった8日の記録に並んだ。気象庁によると、関東甲信と東北の7県15地点で観測史上最多を更新した。》(共同)

これも気候変動の影響だろう。
近くのホームセンターで雪かき用のシャベルや長靴を探したが在庫切れ。次の雪までに手に入れなくては。
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先日、「言論NPO」の「民間外交」について書いた続き。
日中両国で世論調査をして分かったことは、それぞれの国民の認識は、自国のメディア、とくにテレビ報道の影響が強いということだという。
NPO代表の工藤泰志さんによると、相手国の危険性を強調する報道になっていることが世論に大きな影響を与えている。日本のメディアはまだ自制心を利かせているが、中国メディアでは「開戦近し」という煽った印象の報道が目立つという。
意外だったのが、自国のメディア報道は両国関係を客観的で公正に伝えていると思うかという質問への回答だった。
日本では、Yesが25.4%、Noが25.1%で拮抗していたのに対して、中国ではYesが84.5%、Noが7.5%と圧倒的にメディアを「客観的かつ公平」だとみているという。
中国のYesは一昨年はもっと低く、去年のこの調査でぐんと上がったとのこと。尖閣問題などに刺激されて、「客観的に見る人たちが感情的になりかかってきている」と工藤さんは危機感を募らせる。
世界が日中間の戦争を心配していることは、ダボス会議でも感じられた。いま、尖閣では、政府間のホットラインもなく、「自制心だけで保たれている状態」だと工藤さんは表現する。何らかの衝突があれば、メディアが煽って大事になりかねない。冷静な議論が必要だと工藤さん。
メディア、とくにテレビは責任があり、偶発的な事故が起きた場合、どんなポジションをとるのか、メディアの人たちは考えてほしいと訴えた。「ここ一、二年が勝負だ」とも。
「東京―北京フォーラム」では、決裂寸前の激しい徹夜の議論を経て「不戦の誓い」を盛り込んだ「北京コンセンサス」という文書を提唱した。
http://tokyo-beijingforum.net/index.php/programs/9th/9th-beijing-consensus
この文書を読みながら、工藤さんたちの危機感を、メディアに関わる人間も共有しなければと改めて考えさせられた。