落しどころが見えないタイの騒動

takase222013-11-30

きょう、国会図書館前を通ったら、イチョウが陽の光に黄色く輝いていた。
立ち止まって見とれてしまった。
もう明日から師走だ。
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タイはどんどん緊張が高まっている。
《タイでインラック政権打倒を掲げて大規模集会を続ける反政府デモ隊は30日、バンコクにある国営通信会社2社を新たに占拠した。電力供給を遮断したため、一部地域でインターネットに接続できなくなるなど市民生活にも影響が出た。デモ隊は今後、首相府などにも占拠を広げると宣言しており、治安当局は国軍にも警備協力を要請した。(略)
 一方、バンコクではタクシン元首相派の政治団体反独裁民主統一戦線(UDD)が政権支持のための大規模集会を開催し、当局発表で2万5千人が参加した。会場付近にいた反政府派の学生と小競り合いが起き、負傷者も出ている。
 反政府デモ隊は1日を「勝利の日」と位置付け、首相府や警察本部なども占拠すると宣言している。一段の占拠拡大を阻止するため、治安部隊は首相府などへ通じる幹線道路の通行を制限するなど厳戒態勢を敷いている。》(日経)
主要省庁を占拠して政府機能をマヒさせている「反タクシン派」が、行動をますますエスカレートし、明日は「首相府をやるぞ」と宣言。
これに対して「タクシン派」(赤シャツ)が大衆動員をかけて対抗しはじめた。
明日から状況がどう展開するか、目が離せない。
「反タクシン派」の狙いは、首相の辞任や議会の解散ではない。解散・総選挙をしても、現在議会で絶対多数を占める与党が再び勝利するのは目に見えている。
ステープ元副首相が求めるのは《選挙によらない、優れた人物を集めた「人民議会」を立ち上げる》ことだ。(朝日30日朝刊)
つまり、指名制の「議会」に権力を明け渡せと言っているのだ。こんなむちゃくちゃな要求をインラック首相が呑めないのは当然だ。
一見常識はずれの要求をかかげ大っぴらに不法行為を続け、さらなる混乱を煽る「反タクシン派」に対して、首相はあくまで低姿勢だ。外国人には異様に見えるほどである。
インラック首相はテレビを通じ声明を出し、反タクシン派デモ隊にデモや政府施設の占拠をやめ、政府との対話に応じるよう要請。「受け入れ可能な解決策を模索する方法について話し合えるよう政府は協力したい」と述べた。
 ただ、デモを主導する最大野党・民主党のステープ元副首相が唱えている「人民議会」の設置構想については「現行憲法下では不可能だ」と拒否する意向を表明した。
 これに対しステープ氏は28日夜、デモ隊が占拠するバンコク北郊の政府合同庁舎で開いた集会で演説。政府との話し合いを拒否した上で、「この国の問題を解決するための唯一の方法は、人民による人民のための人民議会を設置することだ」と強調した。また「一両日中に闘いは終わるだろう」とも述べ、早期決着を図る意向を示した。》(時事)
「反タクシン派」としては、あす1日から3日ごろにかけて一気に状況を緊迫させてから、12月5日の国王誕生日前後に決着をはかるという戦術か。
ただ、落しどころが全く見えない。
(つづく)