あきらめるのは早すぎる!がテレビに

takase222012-12-14

こんど出版する本について、朝日ニュースターの「ニュースの深層」で取り上げてくれるという。
この本、実は、倒産寸前に追い詰められた私が、コンサルタントとして再生へのアドバイスをもらっている事業再生屋、大森雅美さんという人に私が長時間インタビューしてまとめたもので、タイトルは『あきらめるのは早すぎる〜大森雅美の目からウロコの事業再生術』。
私自身が、もう自己破産か、と追い詰められたとき、そういえば、「再生屋」という人たちがいたなあと思い出した。以前、弊社で「再生屋」、再生コンサルタントを番組で取り上げたことがあった。つぶれそうな会社に「再生屋」が入って、苦闘の末、再生への一歩を踏み出すというストーリーだった。
かつて取材したこっちが今は危なくなっている。じゃあ、今度はうちがクライアントになって助けてもらおうじゃないかとお願いしたのだった。
おかげさまで、まだまだ苦しいけれど、会社はたおれずに何とか仕事を続けられている。この再生をめざす闘いの過程は、私にとってまさに「目からウロコ」の連続だった。

 以下、本の「はじめに」から引用する。

 《プロの「再生屋」というからには、驚くような秘策をさずけてくれるのかと思いきや、アドバイスされるのは、「えっ、そんな簡単なことでいいの?」と言いたくなる、誰にもできそうなことばかり。しかし、よく考えてみると、それらはしごくまっとうで理にかなっており、私が、お金の扱い方にいかに無知だったかを痛感させられた。
 私が優秀な経営者でなかったことは認めよう。では、日本全国で、同じように資金繰りにあえいでいる中小零細企業の経営者の仲間たちはどうなのだろう。経営の舵取りを間違えているのは、私だけなのか。みんな、意外に、危機における対処の仕方を知らないのではないか。
 だとすれば、私が教わってきた大森流「目からウロコ」の事業再生指南を、多くの悩める仲間にぜひ知ってもらいたい。たかがお金のことで自殺するようなことはやめてほしい。こう思い立って、大森さんに本の出版を提案したのだった。
 大森さんは、クライアントと苦悩を分かち合い、ともに涙する熱血漢である。世のため、人のためになりたいという思いは人一倍強い。ぜひやろう、と即決、忙しい時間をやりくりして長時間インタビューに応じてくれた。その結果がこの本である。

 この世で出会うトラブルや苦しみは多様だが、それぞれに対処するやり方がある。
 例えば、あなたが、重い病気にかかっていることが判明したとしよう。はじめは衝撃を受けるだろうが、医者から、病気に対する心がまえと治癒が可能な治療法を告げられたら、それだけで気持が前向きになって、熱心に治療に取り組むだろう。
 一方、お金のトラブルについては、相談できる「医者」がほとんど見当たらない。こうした事情も、お金で追い詰められて絶望し、命を絶つ人が多い一つの背景になっているのだろう。
 この本は、危機にある経営者を病人に見立て、心がまえと治療法を伝授しようというつもりで書かれている。まずはじめに、危機に際しての経営者の姿勢、気持の持ちようを説く。実はここが一番重要で、お金のトラブルは決して怖いものではないという心がまえさえできれば、問題は半分以上片付いたも同然なのだ。
 そのうえで、事業を存続させる具体的な方法を、大森さんが扱った事例にもとづいて学んでいく。登場する会社や社長は実在し、トラブルもすべて実際に起きたものだ。絶体絶命と思われる事態に、次々に繰り出される大森の再生手法。読者は「そんな方法があったのか!?」と驚きながら、次第に元気づけられている自分に気がつくことだろう。

 大病を経て、以前よりずっと明るい人生観をもって生きる人がよくいる。人生における大きな危機は、本当に大事なものは何かを考えるきっかけにもなりうる。気持の持ち方次第で、自分を一回り大きく成長させることもできるのだ。》

 きょうは、そのスタジオ収録でテレ朝に行く。
 この周辺はクリスマスを控えてイルミネーションが美しい。写真はテレ朝の前の毛利庭園と六本木ヒルズタワー。不況とは別世界の光景である。久しぶりにメークをしてドーランを塗ってもらっているとだんだん緊張してくる。
 50分番組でやってもらえるのはありがたい。とにかく、たくさんの中小零細企業のおやじさんたちに、資金繰りで追い詰められてもへこむなというメッセージを伝えたいのだ。
 これから不況の年の年末を迎える。そして来年3月末には金融円滑化法が切れるので、やり方を知らない経営者が自己破産する可能性がある。それで焦って超特急での出版になった。出版社も異例のスピードで出版を進めてくれ、21日には書店に並ぶ。
 ニュースター「ニュースの深層」の放送は26日になる。司会はテレ朝のアナウンサー佐分千恵さん、MCは日経BPの渋谷和宏さん。ぜひご覧ください。
 この番組、これまで取り上げた中小企業は、世界に誇れるテクノロジーを持つとか、すごい技術で度肝を抜くとか、優等生の会社なのだが、今回は、あわや倒産にまで追い詰められたダメ社長(私のことだが)が登場する、私にとっては恥かき番組なのだが、放送と出版で、少しでも首をつる経営者が減れば本望だ。
 21日に旬報社から出ますので、まわりに資金繰りであえいでいる個人事業主や中小企業のおやじさんを知っている人はぜひご紹介ください。