嘉田さん第一声と円滑化法

takase222012-12-04

いよいよ衆議院選挙が公示された。
メディアで見る限り、「日本未来の党」が袋叩きにあっているようだ。いわく地方しか知らない、党首が議員にならないでどうする、小沢支配の操り人形、原発廃棄への工程表がない・・。特に、維新の橋下大阪市長が、こないだまでアドバイザーにしていた飯田哲也氏への非難もしながら、見苦しいほどしつように未来の党につっかかっている。
未来の党嘉田由紀子党首は、飯舘村で第一声をあげた。
以下、田中龍作ジャーナルより。
《村は昨春、計画的避難区域に指定されて全村(民)避難となった。いるのは村民ではなくタイベック姿の除染作業員だ。嘉田代表が演説会場に選んだ村役場横の水田跡には、トンパックと呼ばれる「除染廃棄物容器」が幾何学模様を描いて並ぶ。黒く巨大なビニール袋が50mプールよりも広い場所にびっしりと敷き詰められた光景はグロテスクという他ない。
叩きつけるような雨のなか嘉田代表は訴えた―
「ふるさとを放射能で汚染され捨てざるを得なかった悔しさを未来の党は受け止めます。日本から原発をなくすため、選挙(遊説)は福島から始めました。未来の子供たちに安全な食べ物と大地を受け継いでゆきたい。(中略)鉛筆一本の勇気で『未来の党』と書いて下さい」。》http://tanakaryusaku.jp/
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今回の最大の争点が原発になるのは仕方ないが、日本の経済をどうするのかという問題も忘れてもらっては困る。
朝日新聞で「政策提言 経済」という総選挙特集をやっていて、12月1日は「金融円滑化法」を取り上げていた。大見出しは「中小企業の崖 目前」。この法律は時限立法で、来年三月末に切れる。その後は崖から落ちるように大量の倒産が見込まれるという主旨だ。
いま、中小零細企業のおやじたちが心配しているのがこれである。実際、かなり深刻な事態になる可能性がある。
この金融円滑化法とは「民主党政権の発足後、亀井静香金融相の提唱で2009年12月に施行された。中小企業や住宅ローンの借り手から借金の返済負担を軽くしてほしいいとの申し込みがあった場合、金融機関に金利を減免したり、返済期限を延ばしたりするよう求めている。金融機関は返済猶予の実施状況の報告が義務づけられた。」
で、この法律は非常に「効いた」のである。私も助かった。
記事に例で出てくるのが、東京都大田区の社員43人のある金属加工町工場。円滑化法を使って借金の返済を軽くしてくれるよう金融機関に申し込んだ。結果、毎月1千万円だった返済額が、利息分の70万円だけを払えばよくなった。
私も同じく元金返済を止め、利息だけ支払う
「全国の中小企業420万社のうち、30万〜40万社が円滑化法の適用を受けたとされる。一時的に資金繰りは助かり、倒産件数は減った。」
商工リサーチによると、08年、09年に1万5千件を超えていた中小企業の倒産は、10年は1万3246件、11年は1万2687件、12年は10月末時点で1万225件だという。
「円滑化法のねらいは、リーマンショックによる急激な経済の落ち込みの悪影響を和らげて、会社を立て直す時間を与えることだった。だが、中小企業の経営改善は進まず、一度支払いを猶予してもらった企業の7割超が、再び円滑化法を利用。返済を何度も先延ばししてもらう「依存症」に陥っている」。
この法律は当初1年間の時限立法だったが、震災もあって二度延長されている。共産党は三度目の延長を主張。公明党の延長を検討している。中小企業の圧倒的多数は延長を希望している。切実な問題である。
いま、『あきらめるのは早すぎる』という本の出版を急いでいる理由の一つが、来年3月の円滑化法切れで起きる事態が心配だからだ。