シンガポールで選挙結果を見る

takase222012-12-19

週末からシンガポールに行っていた。
去年4月にチェルノブイリに行って以来の海外出張。シンガポールはたぶん3回目だ。シンガポールには「人工国家」というあまり良い印象を持っていなかったせいか、以前どんな用事で行ったのかもはっきりした記憶がない。
でも、今回は、日本で総選挙があったせいか、国づくりという点でいろいろ考えさせられた。まず、国民の民度が高いなという印象を持った。
タクシーに乗っての運転手さんとの会話。
タ「どこから来ましたか」
私「日本から」
タ「あれ、じゃ、選挙で投票できなかったんじゃないですか」
私「いや、私は期日前投票してきたから大丈夫」
タ「尖閣列島問題どうなりますかね」
こういう会話に自然に入っていったのである。話を面白くしようと脚色しているわけではない、そのままの会話である。
日本のタクシーに日本語のできるアメリカ人が乗ってきたとして、すぐにかの国の大統領選挙の話になるだろうか。
この運転手さんは華人だった。
タ「資源があるからって小さな島のことで争って、くだらないですね」
私「中国は、日本とだけじゃなくて、ベトナムやフィリピンとも衝突しているんだよ」
タ「中国はね、経済の面では超大国になって舞い上がって力を誇示しているんですよ」
私「あなたもチャイニースでしょ。どう思っているの」
タ「シンガポールのチャイニーズと大陸のチャイニーズは全然違いますよ。大陸はチャイニーズの古き良きものを破壊してしまいました。私たちは台湾のチャイニーズに親近感を覚えますね」
16日の夜、ホテルのテレビで総選挙の結果を見ていた。
NHKの放送を英語の同時通訳で流している。こんなにドラスチックに勢力が入れ替わるというのははじめてだが、あまり感慨もなく、淡々とみていた。これが現実なんだな、日本はこういう段階を経るしかないんだな、と。
みんなの党」をYour Party と英訳していた。「みんな」というのは「みなさま」という意味だったのかとはじめて納得。ちなみに「維新の会」はニュールネッサンス・パーティ、「未来の党」はTomorrow’s Partyだった。
翌16日、シンガポール一番の目抜き通り、オーチャード通りを通った。有名ブランドが競うように並ぶ。日本でいえば銀座だが、違うのは、歩道が幅10メートル以上あって大木の街路樹が植えられている。開放感があって、銀座がみすぼらしく感じられる。(写真)
シンガポールというと、狭い国土に人がひしめき合っているイメージがあるが、どこを歩いても広々とした道路と緑があり、好き嫌いは別にして、街づくりに「戦略」が感じられる。
次回はシンガポールで感じたことを書いてみたい。