啄木の飾らない言葉

takase222012-05-02

卯の花が咲き出した。
「夏は来ぬ」という歌に出てくるあの花。「卯の花のにおう垣根に」と歌詞にあるが、匂いは強くない。可憐にひっそりという感じで咲いている。
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おとといの朝日歌壇は、松田姉妹そろって入選。
すぐ裏の紙面で、石川啄木の特集が載っていた。4月13日が没後100年だったという。啄木は24歳のとき、朝日歌壇の選者だったそうだ。啄木は、本当は小説家になりたかったが全く売れず、行き詰った末に口をついて出たのが短歌だった。3日間で281首よんだという。それでも短歌を「玩具=おもちゃ」と軽蔑し続けたのがかえって新境地をもたらしたといわれる。りっぱな歌をよむ気がないから、飾らない言葉で何気ない出来事や心の動きをうたうことができたのだと。
なるほど。
3連符のリズムでキラキラ光る波琵琶湖のそばにお嫁に行きたい                     松田わこ(馬場、高野選)
金色の琵琶湖の光になでられる中一の春休みの私                     松田梨子(高野選)
この二人が入選し続けるのも、飾らない言葉でうたうことができるからでは。入選して当然の「常連」ともなると、構えてちぢこんでしまいそうなものだが、わこさんのなんともストレートな結句はどうだ。
こういう心構えは見習いたい。素直が一番。
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今夜のニュースZERO(日本テレビ)で、「非正規雇用の若者」の小さな特集を放送した。
《10年前と比べ、非正規雇用は500万人増え、いまや労働者の3分の1が非正規雇用だ。非正規雇用の若者414万人のうち、4割が正社員になることを希望している。しかし、その希望がかなえられず、30代、40代になってもずっと非正規という人は多い。
二人の非正規労働者の姿を追いながら、普通に暮らし、普通に家庭をもつということが届かぬ夢になりつつある現状を描く》(弊社番組予告)
24歳の女性が法律事務所で週5日バイトで働き、土日飲食店でも働きながら切り詰めて一人暮らしをしている。このまま、40歳になったらと思うとお先真っ暗、正社員になりたいと語る。
次世代の仕事場をたくさん作って、普通に働いて普通に家庭をもてるようにしてやりたい。そのために、成長戦略として再生エネルギーを核にすえて民間の投資を促してほしいと思う。