ツルニチニチソウ(ツルキキョウ)の花。
「孤高」という言葉を感じさせるりんとした咲きぶりだ。
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1日の「報道ステーション」で、面白い特集をやっていた。
北九州市八幡東区で、電力の需給逼迫への非常に有効なシステムになりうる実験をやっているのだ。
新日鉄が出資する小さな電力会社、東田コジェネが一般家庭・事業所に対して電力を供給している地域があり、そこで4月1日から同社が世界に類を見ないサービスをはじめた。
それは、電力需給に応じて、リアルタイムに変わる料金システム「ダイナミックプライシング」だ。
《家庭向けの場合、平日昼間の時間帯で5段階の電気料金を設定し、最低と最高で最大10倍の価格差が付く。電気料金で電力使用状況の変化を促す「国内初の実証実験」(北九州市環境局環境未来都市推進室)に注目が集まっている。
対象は東田地区に立地する一般家庭210世帯と、商業施設など50社。同地区は電気事業法の「特定供給」に指定され、隣接する新日本製鉄八幡製鉄所(八幡東区)にあるガスコジェネレーション(熱電併給)から直接、電力の供給を受けてきた。このため独自の電気料金を導入しやすい環境にあった。
実証実験は2012年度から14年度までの3年間行う。家庭向け電気料金は対象の210世帯を3グループに分け、うち2グループを需給状況に応じて電気料金が変動するダイナミックプライシング、残る1グループは従来同様に電気料金が一定であるベーシックプランを導入する。全世帯を変動制にしなかったのは「電気料金が使用状況に変化を与えたかどうかを検証するため」(環境未来都市推進室)という。
ダイナミックプライシングの料金設定は季節、時間帯によりベースとなる電気料金があり、需給に応じてレベル1からレベル5までの5段階で変動する。使用量のピークとなる夏の平日昼間(13―17時)の場合は、レベル1が1キロワット時15円。以後同5まで50円、75円、100円、150円と段階的に上がり。同じ時間帯でレベル5とレベル1を比べると10倍の差が生じる。また最も安い夜間料金(22―8時)の7円と比べると実に21倍以上の開きがある。
毎日の電気料金は、地区全体のエネルギーを管理する地域節電所が、翌日の気温や天気などから需要予測し、各家庭に設置されたスマートメーターで知らせる。夏は最高気温が30度C以上、冬は同5度C未満になるとレベル2以上とする。
同市の見通しでは年間にレベル1が270日、2から5はそれぞれ24日程度の適用になると予測。電気料金の変動によりエアコンの設定温度変更など電力使用の状況変化を促す。
エアコンの普及などで国内の電力需要は、ほぼ一貫して増加しており、これに電力会社は新たな発電所の建設で応えてきた。同市は今回のダイナミックプライシング導入で、ピーク時の電力使用量を15%削減につなげるという目標を掲げる》(日刊工業新聞4月10日)
http://www.nikkan.co.jp/dennavi/topix/nkx20120410qtkb.html
(「北九州スマートコミュニティ創造事業」という計画がある。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/masterplan004.pdf)
東田では送電線も九州電力ではなく、東田コジェネの運営だ。地域独占の電力会社の呪縛から離れればこんなことまで可能なのだとみんなに気づかせるだけでも意味がある。
電力料金のあり方を根本から問い直すすごい実験である。
やはり、発送電分離が必要だな。